ご報告:別府千灯明終了のお知らせ(これまでの光のオブジェ制作)
マイベストプロの記事の中でも話しをさせて頂いた
「杖の制作」をご紹介致します。
私のこれまでの仕事の中でも、原点を見つめなおし、
すごく転機となった、とても大きな出来事でした。
今回のお客様とのご縁は、
僕が大分医大病院の廊下に7年間近く、
季節ごとに入れ換えながら飾らせて頂いていた絵を 入院中ずっと見てくれていたみたいで、
初めて個展会場でお会いしたときに、 心の支えにしていたと涙ながらに、当時のことをたくさん教えてくれました。
お客様は、足の病気で通院していたのですが、
発病当時は中学生で、思春期の真っただ中。
まさかの難病との診断に、本当にショックで立ち直れなかったそうです。。
ちょうど、その時期に僕が独立をするタイミングで、
初めて医大病院での展示のご縁を頂き、飾らせて頂き、
その絵を見て、「もう死んでしまいたい」と思っていた気持ちが、「まだダメ。もう少し頑張ろう。」と
言う気持ちに変わったそうです。
実際に、絵を飾っている目の前にトイレがあり、そこにカッターを持ち込んだこともあったらしく、
その時も、トイレに入る前に絵を見て、「やっぱりやめよう」と思いとどまってくれたらしいです。。。
その後も、僕はそういったことがあったことは知らず、
季節ごとに絵を交換させて頂いていたのですが、
それが、彼女にとってもよかったらしく、
「あっ、絵が変わった。私、またここまで頑張れた。また次の絵まで頑張ろう」と
彼女の生きる勇気にも繋がっていたらしいです。。
手紙で後々、
このエピソードを教えて頂いた時は
自分でも信じられませんでしたが。。本当にびっくりしました。
絵が誰かの役に立てば、、と思い、 させて頂いていたことが、
僕の知らないところで、ちゃんと届いていたんだなぁと、、、。
本当に嬉しかったことを今でも覚えています。。
正直、絵で人並みの生活をするってやっぱり大変です。
身内に多少の迷惑や心配をかけながらも、なんとか続けてきて
こんなに大変なのに、 「絵なんか描いてどうするの??」
と、ず~っと長い間、 、 自分自身に問いかけながら生きてきて、
でも、もちろん描くことが大好きだから続けてきて、、。
続けるなかで たくさんの方々のお陰で、「絵の力」や「絵の必要性」が見出だせてきたのですが
ようやく本当の意味で 「無意味じゃなかったんだ!!!」 と確信に変わるような出来事と出会ったような気がします。
絵を描いてきて、 続けてきて本当によかった…。
この出来事で、これまでやってきたことや、させて頂いてきたことに
心の底から感謝が出来ました。
またこの出会いを頂いた時に、
色々と迷い
絵の道から、別の道に反れかけて
精神的に追い詰められていた時期でもあったので、
「これからも続けるんだぞ!!!!」と、お客様を通じて、強く言われたような、
逆に救われたような。。
そんな気持ちにもなりました。
世界に1本☆どこにも売っていない「杖に描くオーダー制作」
文章が長くなりましたが、
早速、制作させて頂いた杖をご紹介させて頂きます。
こちらが描く前です(^^)
このタイプの杖が、
おしゃれな杖があまりないらしく、
僕だったら描けるのではないか?ということでご依頼頂きました。
お客様からは「ピンク」「虹」「リス」のリクエストを頂き、
大変な状況でも、軽やかな気持ちで日々送ってもらえるように、たくさんの祈りや願いを込めて描きました。
完成がこちらです。
移動するときは
いつも杖が一緒なので、
ちょうど、目線の行く手元にリスを描き
「ずっと見守ってるよ」という感じで描きました(^^)
また、隠れたメッセージもたくさんちりばめました。
納品後は、とても喜んで頂き、
「持って帰って玄関に置いたら、そこが華やかになるんです!」
とメールをもらい、
これは、壁画を描いた時に、その周辺や空間が変わったような現象がよく起きるのですが、
ここでもそれが起きていることに気が付きました。
そして、納品から数ヶ月後に開催した個展会場にも
「使ってるところを見てほしくて」と足を運んでくれました。
その後の反応
そこで、その後の反応もたくさん教えてくれました。
まずは、
杖に絵を描く前より、大切に扱うようになったらしく、
ずっと一緒にいる杖に対して、感謝の心が芽生えたそうです(^^)
他にも
現在、リハビリ関係の学生さんなので
先日宮崎に福祉の実習に杖を持って行ったらしいのですが、
そこで認知症の人が、にっこり笑って「よかね~(^^)」と反応してくれたり、
普通の杖を使っている高齢の方も「そっちがよか~」と言ってくれたりしたそうです。
普段は少し苦手なクラスの子も、「かわいいね」と言ってくれたり、
嬉しい変化がたくさん起きているそうです。
買い物に行っても、
今までは、小さな子供が「杖をついて歩いている人」が珍しいということもあり、
まじまじと見てきて
お母さんが「あまり見ちゃだめよ」と気を使ってくれる感じだったらしいのですが、
杖に絵を描いてからは、
「ママきれい!」と杖を見て反応し、
お母さんも「あら!ほんとね」と、見ちゃだめというような反応ではなくなったみたいです。
こういったことは日常茶飯事だったので、あまりご本人は気にはしてなかったらしいのですが、
反応の変化にすごく喜んでました。
本人も発病以来、辛い状況だったので、どこか卑屈になり、
人のコミュニケーションが苦手だったりしたらしいのですが、
絵の杖を通じて、人とのコミュニケーションもたくさん生まれているらしく、
なんだか前よりもとても明るく変わったような気もしました(^^)
ただの地味な杖から、
絵を施すことで、
こんなにも見え方や生き方が変化するなんて、、と
本当に絵描き冥利に尽きる、嬉しすぎる出来事がたくさんおこっていました。
これまで絵画だけではなく、壁画や3Dアートなどなど
絵を通じた色々な仕事を続けて
身についた知識や技術も、
こうした形で、すごく喜んで頂ける日がくるんだ!ということももちろん感じましたし、
絵画を通じた可能性もすごく感じ、
様々な面で、学ぶことがギュウギュウに詰まった出来事でした。
この出逢いに感謝です。
本当にありがとうございます。
これからも、絵を通じて世の中に対してできることがたくさんあるのではないかと思います。
こんなものがあればいいのに。。なんて悩まれている方がいらっしゃれば、
お気軽に、ご相談頂ければと思います(^^)
今後ともよろしくお願いします。
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