立ち座りや歩いていると痛くなる膝の痛みについて
投稿をご覧頂きありがとうございます。大分駅前整体院の河野です。今回は「階段での膝の痛み」についてです。
「階段を降りるときに膝がズキッとする」
「階段を下りていてすぐ横を走られると怖い」
「最近、無意識に階段を避けるようになった」
このような変化に、心当たりはありませんか?
40~50代になると、これまで感じなかった体の違和感が少しずつ増えてきます。最初は「なんとなく変だな」という程度だったものが、気づけば「はっきりとした痛み」へと変わっていくことも少なくありません。
特に階段での膝の痛みは、日常生活に直結する問題です。外出先や自宅での移動にストレスを感じるようになり、「このまま悪くなるのでは…」という不安を抱える方も多いでしょう。
しかし、この痛みは単なる年齢のせいではありません。むしろ、体のバランスが崩れ始めているサインとして捉えることが重要です。
なぜ階段で膝が痛くなるのか?
① 太ももの筋力低下(特に前もも)
階段の動作は、平地を歩くよりもはるかに膝への負担が大きくなります。特に階段を降りるときには、体重の約3~5倍もの負荷が膝にかかるとされており、この負担をしっかり支えるためには筋肉の働きが不可欠です。
ここで重要になるのが「前もも(大腿四頭筋)」の筋肉です。この筋肉は、膝を安定させながら衝撃を吸収する役割を担っています。
しかし、座りっぱなしや運動不足、日常生活の変化によってこの筋肉が弱くなると、膝で受け止めるべき衝撃をうまく分散できなくなります。その結果、関節に直接的なストレスがかかり、階段の昇り降りの際に痛みとして現れるようになります。
つまり、「筋力が落ちている=支えられなくなっている状態」だと理解することが大切です。
② 股関節・骨盤の動きの悪さ
膝の痛みというと「膝そのもの」に原因があると思われがちですが、実際にはそうとは限りません。むしろ多くの場合、問題は膝以外の部分、特に股関節や骨盤の動きにあります。
本来、歩く・立つ・階段を使うといった動作は、膝・股関節・骨盤が連動して働くことでスムーズに行われます。しかし、股関節が硬くなっていたり、骨盤の動きが制限されていたりすると、この連動が崩れてしまいます。
その結果、本来は分散されるはずの負担が膝に集中しやすくなり、特に負荷の大きい階段動作で痛みが出やすくなります。
「膝を治療しているのに良くならない」という方は、このような体全体の連動の問題が見落とされているケースが多いのです。
③ 体の使い方のクセ(ねじれ・片側重心)
日常生活の中で、自分では気づかないうちに身についている「体の使い方のクセ」も、膝の痛みに大きく関わっています。
例えば、立っているときにどちらか一方の足に体重をかけるクセや、歩くときに膝が内側に入る動き(ニーイン)、足の外側ばかりを使う歩き方などが挙げられます。
こうした偏った使い方が続くと、膝関節の特定の部分に負担が集中し、その状態が積み重なることで徐々にダメージが蓄積されていきます。
そしてある日、階段のように負荷がかかる場面で一気に痛みとして表面化します。つまり、今感じている痛みは「突然起きたもの」ではなく、日々の積み重ねの結果なのです。
放置するとどうなるのか?
「少し痛いだけだから...」「そのうち良くなるだろう...」と様子を見ているうちに、症状が少しずつ進行していくケースは非常に多く見られます。
最初は階段のときだけだった痛みが、やがて平地を歩くときや立ち上がるときにも感じるようになり、さらに進むと正座やしゃがむ動作が困難になることもあります。
そして最も注意が必要なのが、変形性膝関節症への進行です。関節の軟骨がすり減り、骨の変形が起こることで、慢性的な痛みや可動域の制限が生じてしまいます。
40~50代は、「まだ改善できる余地が十分にある時期」である一方で、「放置すると悪化しやすい分岐点」でもあります。このタイミングでどう向き合うかが、今後の体の状態を大きく左右します。
今日からできる対策
① 前もも+お尻の筋肉を使えるようにする
膝の負担を減らすためには、単純に筋肉を鍛えるだけでなく、「正しく使える状態」にすることが重要です。
特に意識したいのは、前ももとお尻の筋肉の連動です。これらの筋肉がうまく働くことで、膝への負担を分散することができます。
自宅で簡単にできる方法としては、椅子からの立ち座り動作をゆっくり行うトレーニングがおすすめです。このとき、膝だけで動こうとするのではなく、「股関節から動く」意識を持つことがポイントになります。
正しい動き方を身につけることで、日常生活そのものがリハビリになります。
② 股関節の動きを改善する
膝の痛みを軽減するためには、股関節の柔軟性を高めることが欠かせません。股関節がしっかり動くようになると、体全体で負担を分散できるようになり、膝へのストレスが大きく軽減されます。
特に硬くなりやすいのが、内ももやお尻、前ももの筋肉です。これらをバランスよくストレッチし、動きやすい状態を作ることが大切です。
「膝が痛いから膝だけを見る」のではなく、「体全体の動きの中で膝を守る」という視点を持つことが、改善への近道になります。
③ 階段の使い方を見直す
痛みがある状態で無理に普段通りの動きを続けると、さらに負担が蓄積してしまいます。そのため、階段の使い方を見直すことも重要な対策の一つです。
例えば、手すりを積極的に使う、小さく一段ずつ降りる、体を少し前に倒して重心をコントロールするなど、ちょっとした工夫で膝への負担は大きく変わります。
「無理をしないこと」も立派なケアの一つです。今の状態に合わせた動き方を選ぶことが、回復への第一歩になります。
簡単にできるトレーニングのやり方

本来、体を支える役割は膝だけではありません。股関節・お尻・内ももがしっかり働くことで、負担は分散されます。
しかしこれらの働きが弱くなると、膝で体を支えるしかなくなり、衝撃を逃がせなくなるため関節に直接負担がかかるようになります。この状態で階段のような負荷の大きい動作を行うと、膝の痛みとして現れてしまいます。
だからこそ必要なのは、「膝を鍛えること」ではなく、膝を守るための筋肉を使えるようにすることです。
① 椅子スクワット
~「正しく使う」ための土台づくり~
椅子スクワットは、単なる筋トレではありません。日常動作を改善するための「再教育」のような役割を持っています。
多くの方は、立ち上がるときに膝を前に出して動いてしまいます。この動きでは、太ももの前ばかりに負担がかかり、膝へのストレスが増えてしまいます。
椅子スクワットでは、お尻を後ろに引きながら動くことで、お尻・太もも・股関節を連動させて使えるようになります。ゆっくりと股関節を意識しながら、5回を3~5セット行ってみてください。
この「体の使い方」が身についてくると、普段の立ち上がりや階段動作も自然と変わっていきます。
つまりこのトレーニングは、痛みを取るためではなく、痛みが出ない動き方を作るためのものです。
② ヒップリフト
~膝に頼らない「支える力」を取り戻す~
膝が痛くなる方に共通しているのが、「お尻が使えていない」という状態です。
本来、お尻の筋肉は体を支える上で非常に重要な役割を持っています。しかしこの筋肉が弱くなると、股関節の動きが低下し、膝がその代わりをするようになります。
ヒップリフトは、この「失われた支える力」を取り戻すトレーニングです。仰向けで膝を立て、お尻をゆっくり持ち上げて下ろす動作を10回×3セットを目安に行ってください。太ももの前面に力を入れて持ち上げるのではなく、お尻・太ももの裏を意識して行うのがポイントです。
仰向けで行うことで余計な力が入りにくく、お尻・太もも裏をしっかり意識することができます。この筋肉が働くようになると、階段の昇り降りや歩行時の安定感が大きく変わってきます。
膝の痛みを改善するためには、「頑張って動く」のではなく、正しく支えられる体を作ることが重要です。
③ タオルエクササイズ
~膝の「ブレ」を防ぐ安定性のカギ~
膝の痛みがある方の多くは、動作中に膝が内側へ入りやすくなっています。これは内もも(内転筋)がうまく使えていないサインです。内ももは地味な筋肉ですが、実は膝の安定性に大きく関わっています。
タオルエクササイズでは、膝の間にタオルを挟んで締め付けるように力を入れることで内ももの筋肉を働かせることができます。このとき重要なのは、太もも(大腿部)を使って締め付けるのではなく、内ももだけを使って締め付けるように意識することです。5秒の5~10セットを目安に行いましょう。
内ももが働くようになると、
膝のぐらつきが減る
階段での不安感が減る
痛みが出にくくなる
といった変化が出てきます。
この3つを行う意味
このトレーニングは、それぞれ単体でも効果がありますが、組み合わせることで大きな意味を持ちます。
椅子スクワット → 正しい動き方を覚える
ヒップリフト → 支える力をつける
タオルエクササイズ → 安定性を高める
つまり、動き・支え・安定この3つが揃うことで、膝に負担がかかりにくい体が作られていきます。
当院が考える改善のポイント
何度も言うようですが、階段で膝が痛くなる方の多くに共通しているのは、「膝だけに原因があるわけではない」という点です。
体はすべてつながっており、膝・股関節・骨盤が連動して働くことで本来の機能を発揮します。そのどこかに問題があると、結果として膝に負担が集中してしまいます。
そのため当院では、膝だけにアプローチするのではなく、股関節や骨盤の状態、さらには日常の動作そのものを見直すことを重視しています。
また、「痛みが強くなってから対処する」のではなく、「悪くなる前に整える」という考え方を大切にしています。これにより、より自然で負担の少ない改善が可能になります。
「まだ大丈夫」と思っている今が、一番大切なタイミングです
階段での膝の痛みは、単なる加齢によるものではなく、筋力の低下や関節の硬さ、体の使い方のクセなどが複雑に絡み合って生じています。
そして何より重要なのは、「今の段階であれば改善できる可能性が十分にある」ということです。違和感の段階で気づき、適切に対処することで、これから先の体の状態は大きく変わります。
これまで多くの膝の痛みを訴える方をみてきましたが、違和感を放置して60~70代を超えて悪化してからでは、良くするのに相当な根気が必要です。
ですので、症状が軽いうちに体を見直すことが、将来の安心につながります。今感じている小さなサインを見逃さず、「これ以上悪くならないための一歩」を踏み出してみてください。
あなたの体は、今ならまだしっかり応えてくれます。


