(4)三角定規を使うときの裏ワザ
今回は直線定規を取り上げます。文具店、百均、ファンシーショップをまわってみて気付いたことは、種類が豊富であることです。全種買い集めると5000円くらいかかりそうなので、減らして17個買いました。大きく分けるとプラスチック系と金属系に分かれます。金属系はステンレスとアルミニウムがありました。このコラムは小学生が直線定規を買う場合を想定していますので、金属系はお勧めできませんから省略します。
次にプラスチック系を材質で分類してみると、アクリル樹脂系、ABS樹脂系、ポリスチレン樹脂、材質不明の4種類に分かれました。
(1)アクリル樹脂は値段が高い、透明度が高い、紫外線に強い、薬品に弱い、傷がつきやすい、という特徴があります。アクリル樹脂の仲間のメタクリル樹脂は硬くて傷がつきにくいという特徴があります。メタクリル樹脂を使っているのはすべて文具メーカーの製品でした。無印良品の透明定規はアクリル樹脂でした。
(2)ポリスチレン樹脂は値段が安い、透明度が高いがアクリルより少し劣る、紫外線に弱い、薬品に弱い、硬くて傷がつきにくいが衝撃に弱いという特徴があります。これを使っているのはすべて百均の製品でした。樹脂の値段が安いからだと思います。下の写真を見てください。定規の端が割れていますね。この定規は10年以上前に塾関係のイベントでもらってきた物ですが、百均の製品によく似た形状の物があるので、たぶんポリスチレン樹脂だと思います。「衝撃に弱い」というのはこういうことだと思います。
(3)ABS樹脂は値段が少し高い、透明度が高くないがつやがあり見た目に美しい、紫外線に弱い、薬品に弱い、用途に合わせて柔軟に加工できる、衝撃に強い、燃えやすいという特徴があります。ABS樹脂の製品を見ると、一部に穴があったり、へこんだり、特殊な形状をしています。加工しやすいからでしょうか。下の写真を見てください。上の定規の右上端にへこみをつけアクリル樹脂でできた宝石のような物を埋め込んでいます。下の定規も黒い部分を凹ませてそこに滑り止めの樹脂を埋め込んであります。「すべらない定規」と包装には大きく書いてあります。受験生が喜びそうですね。無印良品の黒い定規もこの樹脂でした。ただ燃えやすいので子供に与えたくありません。
(4)材質不明は、包装に材質を書いていませんでした。すべてファンシーショップの商品です。これらはかわいいキャラクターの絵がある関係でライセンス料がかかるため、すべて割高な料金です。お勧めできません。
こう見ると、一番お勧めは文具メーカーの製品で、次に百均の製品でしょうか。
分度器の時にも書きましたが、端メモリ(余白がなく末端から0cmメモリが付いている)は読みにくいです。写真の定規は上が普通メモリ、下が端メモリです。端メモリしかない定規もありますので、(下の写真、無印良品の製品です。)それは小学生に与えないでください。