エストロゲンと更年期障害と自律神経
「免疫力の6~7割は腸が担っている」この言葉、皆さんも耳にしたことがあると思います。
最近では8割という表現まで出て来ている腸の役割ですが、コロナの予防対策もあって「腸活」を始める方、興味を持たれる方も多いと思います。テレビや雑誌でも、○○という成分が免疫力アップに役立つ!△△乳酸菌を取るといい!などと言われているアレです。それぞれの成分や菌の働きは確かにそうなのですが、効果や実感はいかがでしょうか?また、いろいろ聞くけど何から始めていいのかわからないといった方も多いのではないでしょうか?当院でも、実感できずに「やめた」などの声をよくお聞きしますので、そんな「腸活」についてのお役立ち情報をお伝えいたします
免疫力アップ以外にも、様々な目的で取り組む「腸活」ですが、その「腸活」をするうえでイチバン大事なのが「腸内細菌叢」=「腸内フローラ」です。
一般的に腸内細菌バランスは
善玉菌:日和見菌:悪玉菌=2:7:1 と言われています。
このバランスが崩れている状況では、いくら効果のある善玉菌や成分を取っても、なかなか効果が出にくいです。まずは、ご自身の腸内細菌バランスに注目してみてはいかがでしょうか?
とは言え、下痢気味とか便秘気味とかならまだしも、なかなかご自身の腸内細菌バランスについて認識している方はいらっしゃらないと思います。調べる方法としては、便(うんち)を検査機関に送っての細菌検査が一般的ですが結果だけでは評価や対策が多岐にわたることから一般の方がいきなり「腸活」に取り組むにはハードルが高いようです。
一方、歯科医師としての視点から、近年歯周病原菌を含む口腔内細菌が食べものと一緒に腸内に届き、腸内細菌叢のバランスを変えたり腸内で悪さをすることが報告されています。(だいぶ前ですが、歯周病原菌のフソバクテリウムが大腸がんと関係しているという報告をこのコラムでもお書きしています)
また、菌とはちょっと違うカビ(カンジダ菌)も同じように口の中のカンジダ菌が腸に届き、腸内で悪さをしていることもあります。実はこれが非常に厄介で、日本ではいまだに風邪の時に抗生剤を服用する習慣(?)がありますが、実際は抗生剤で腸内の善玉菌までも殺してしまい、しぶといカンジダ菌が生き残ってはびこってしまうというのが問題の一端です。抗生物質をそんなに飲む機会がない方にとっても、パンなどの発酵させた食品や甘いものはカンジダ菌の格好の餌ですので、食習慣によっても腸内フローラの乱れにつながるといった具合です。結果、自身の腸内状況がわからないまま何かしらカラダにいいものを食べたり・飲んだりしても、一緒に腸内フローラを乱す口腔細菌も飲み込んでしまう・・・という何とも矛盾まみれの残念な状態に陥りかねないので、「腸活」に取り組む際にはまず
口腔内を綺麗な状態=歯周病予防をしっかり行った状態
にしていただき、プロバイオティクスなどで腸内フローラのバランスを整えてから取り組む(何かしらのいいものを飲んだり食べたりする)のがよさそうです。
是非、皆さんの健康管理に役立ててください。
※一番のおすすめは腸内細菌検査を行ってからの個々の腸内フローラ状態に応じた「腸活」です。そのため、当院では腸内細菌検査キットをご購入いただいた方には細菌検査結果に基づいた「腸活」指導までを行っています。