「家庭内痴漢」は夫婦の特権?

松尾聡子

松尾聡子

テーマ:夫婦関係の悩み

以前、テレビを見ていたら
「家庭内痴漢」に悩んでいるという
女性からのお悩み相談がありました。

パートナーが嫌がっているのに
許可なく相手の身体を触る行為を
「家庭内痴漢」と呼ぶそうです。

この「家庭内痴漢」について
人によって考え方はさまざまです。

何が正解なのか、わからない。

そういう方もいらっしゃると思います。

今日は「家庭内痴漢」についての
大切な考え方について、お伝えします。




●「家庭内痴漢」に対する意見の違い

家庭内痴漢をする人は
「許可なく触れるのは夫婦の特権」と

相手が本気で嫌がっていても
なかなかやめてくれない傾向があります。

出演していた
タレントさんたちの意見もさまざまで

男性からは

「通りすがりにお尻とか触っちゃう」
「愛情があるからだろうね」

という意見がありました。

一方、女性からは

「触られても大丈夫なときと、
そうじゃないタイミングがある」

「夫婦だから絶対OKというのは違う」

「触っていい?って同意を取って、
断られたらやめればいい」

という意見が多く、
男女の認識の違いを改めて感じました。



●いちいち同意をとるって、雰囲気が・・・

とは言うものの、
女性側からも

「いちいち同意を取るのって、
なんか、雰囲気が・・・」

「触られて嫌だって思う女性がいる、
というのに、驚きました」

という方もいました。

男女に関わらず、

夫婦や恋人同士であれば
スキンシップやセックスは
嬉しいもので、心地よいものだ、

という前提を持っている方が
まだまだ多いんだなあと感じます。

そうすると、
夫婦や恋人同士なのに
スキンシップを嫌がるなんておかしいし、

拒否するなんてひどいことだ、愛情がない、
という結論につながるのも
当然かもしれません。



●「性的同意」という概念への拒否感

「性的同意」について、
こうして、ようやく
メディアでも取り上げられるようになり

法律でも
「同意がない性行為(不同意性交)は犯罪である」
と改正がされたにも関わらず

そもそも「夫婦間での性的同意」という概念を
認められない人も多いです。

「夫婦は一心同体」

「妻は自分の感情や欲求を満たすもの」

「夫婦が仲良しでいるためにセックスは必要不可欠」

という考え方が
がっしり根付いている場合、

夫婦が性的同意を取ることについて

それこそ「はて??」
と、理解不能になってしまうものです。



●ほんとは、とてもシンプルなこと

人の価値観や考え方は
人それぞれなので、

「夫婦は一心同体」なんだから
相手が自分と同じように
考えたり感じたりしないと許せない!

とか

性的同意とか、意味不明だし!

という価値観や考え方で生きていくのも
その人の自由です。

ただ、そういう価値観とか
小難しいこと抜きにして

小学生のときに
きっと誰もが教えられた

人が社会の中で生きていくための
とてもシンプルな基本があります。

それは

「相手の嫌がることはしない」

ただ、それだけなんですよね。



●他人にはできるのに

職場の人や友だちなど、
他人には嫌がることはしなくても

夫婦や親子だと、とたんに
「夫婦なんだから」「親なんだから」と

相手が嫌がっていることよりも
自分のやりたいこと、やらせたいことを
優先しちゃうことが多いものです。

夫婦や親子って、
たしかに関係性は家族であって
他人ではないけれど

自分とは、まったく別の人格の人間である、
ということは、変わりません。

たとえば、子どもが病気で苦しんでいて
どんなに代わってあげたいと思っても、

子どもの人生や身体を
代わってあげることができないことと
同じです。



●誰もが、自分の人生の主役です

私たちは、それぞれが
それぞれの人生の主役を生きています。

自分が
自分の人生の主役であるように、

相手も
相手の人生の主役を生きています。

自分の気持ちを大事にするように、
相手の気持ちを大事にできれば

同意を取るということは、
とても自然なことで

それで「雰囲気が壊れる」
ということはありません。

逆に、気持ちを大切に扱ってくれた、と
相手への想いが深まるはずですし、

雰囲気が壊れるからと
我慢を重ねて
相手のことを嫌いになるより

安心して同意を取れる関係性を
作っていく方が大切だと思います。

夫が家庭内痴漢を
どうしてもやめてくれない方は
こちらも参考にしてみてくださいね。


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松尾聡子
専門家

松尾聡子(カウンセラー)

Le Port(ル・ポール)

聞いて終わりではない、変化を起こすカウンセリング。知識だけではなく、実際に普段の生活ですぐに役立つ心のスキルを伝える講座。

松尾聡子プロは長崎文化放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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