リーガルナビ行政書士事務所、5期目突入しました♪
このコラムは、今年の1月、長崎県行政書士会の会報に寄稿させていただいた記事です。グローバル化が進む長崎において、「行政書士」にできることについて私なりに考察してみました。
長崎県内の状況
平成26年4月1日現在、県内の外国人住民は7,683人であり、県内全体の人口1,416,850人に対して、約0.54%を占めています。今から15年前の平成11年の県内の外国人住民は5,330人であり、15年間で約2,000人増加しています。その要因として、県内大学への留学生の増加、技能実習生制度による受け入れなどが考えられ、県内の少子高齢化と相まって、県民全体の占める外国人住民の割合は今後さらに高くなることと予想されます。
新入管法と長崎
今年の4月からは新しい入管法が施行されます。新法では、多くの法改正がありますが、最も注目すべきは、在留資格「留学」の対象学年の引き下げだと思います。現行法において「留学」の対象となるのは高校生以上であるのに対し、新法では小学生から「留学」の取得が可能になります。私はこの法改正により、県のさらなるグローバル化が期待できると考えております。
近年韓国では、小学生、中学生のように幼い頃から外国へ留学する「早期留学」が流行しています。今までは英語圏への留学が主流でしたが、最近は日本語への関心も高まっています。長崎県の地理的利便性を生かし、これらの留学生を取り込むことができたら、さらなる国際都市へ成長できると思います。
グローバル時代に行政書士に求められる姿勢
ではこのようにグローバル化が進む中、私たちや市民に必要な姿勢はなんでしょうか。それは「受容」ではないでしょうか。外国人との違いによる対立は、言葉の違いよりも、文化や思想の違いに起因する場合が多いです。外国人から見たらこちらだって外国人。育ってきた環境が違えば、考え方や行動が違って当然ですが、世間ではこの違いを「不正解」と捉えてしまいがちです。無意識中に働く「外国人=間違っている」という考え方は、グローバル化を妨げる原因となり、常に警戒すべきこところです。相手のことを否定せず、自分との違いを受け容れる姿勢こそがグローバル化を促進させるのではないでしょうか。
そして士業の中で最も外国人と交流する機会の多い私たち行政書士は、自分の中の「受容」に留まらず、積極的に社会に向けてこれを発信していく姿勢が必要とされます。入管業務および事実証明に関する書類の作成に該当する翻訳業務は私たちの業務であり、多面にわたり外国人の生活を支えています。つまり行政書士は、日々の業務を通じて外国人と日本人のお互いの受容をサポートできる、いわゆる文化の仲介人としての役割を任されています。外国人と日本人の架け橋として働くことができる行政書士は、グローバル化の促進剤となり、様々な分野で活躍します。これがグローバル時代における理想の行政書士の姿であると考えております。