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塩原真貴

木造住宅を耐震・断熱構造に生まれ変わらせるプロ

塩原真貴(しおはらまさき)

株式会社Reborn

コラム

MJ(メガジュール)とは何ぞや?20兆とは何ぞや?

ゼロエネルギーハウス

2016年12月24日

予測不可能?な廃炉・除染費用


国民の負担
電気代は一体この先どうなってしまうのか?
ウン兆円というお金がかかっている福島原発の廃炉費用。
あれから6年近くが経ちますが、廃炉への道のりはまだまだこの先もずっとずっと続きます。
東京電力単独では到底賄いきれないのは分かりますが、なかなか難しいからと国が資金の援助支援し、ふくらみ続けるそのお金に、返済ができる見込みはあるのでしょうか?

家計に負担
多くの方はもう、うすうす感づいています。
電気代が震災前に比べて相当高くなっている。
そして今後もさらに高くなってゆくであろう、ということを。

太陽光発電が世の中に広がれば広がるほど、時間が経てばたつほど、
まるでゴールのないマラソンを走っているかのようです。

先日も、福島県のガソリンスタンドの洗車コーナーにある廃水タンクが、もう大変なことになっている、という報道がありました。
除染に水は必要不可欠なものですが、その水さえも処理がままならない。
震災当時、冷却に使われたタンクが福島原発敷地内にどんどん拡大してゆき、「うわぁ、たいへんだぁ~」とTVを眺めていたその光景が、どんどん私たちの足元に及んできているようだと感じました。

嘆くばかりでは始まらない。前向きに行動を。

エネルギーをできるだけ使わない、つまり省エネこそが前向きな行動の一つだと思っています。
節電しかり、断熱改修しかり、ゼロエネ住宅建設しかり。
欲を求めず義を求める行動であってほしい。

かなり知名度も増してきたのか、新築住宅予定者の方々の多くがおっしゃいます。

「ゼッチにしてほしい」
「うちもゼロエネにできるんですか?」

すでにハウスメーカーの住宅展示場に行かれた方は、

「ゼッチが最も優れているのだ」
「今時はゼロエネっしょ?」
「ゼロエネの家はあたたかい」

などという洗脳を受け、
「どのメーカーの太陽光パネルがおすすめか?」
などというところから会話が始まることもしばしばです。

しかし最近は様子がかわってきたように感じています。

「ゼロエネってやらなきゃだめですか?」
「太陽光パネル乗せたくないんですけど」

そんな風に切り出してくる方もいらっしゃいます。

「友人の家が、思ったほど発電されず、買い取り金額もずいぶん安くなったのでペイできるか恐れている」
「雪が落ちるのは想定外だった」
「片流れの屋根は好きじゃない」
「ゼロエネ、って本当にエネルギーがゼロって意味じゃないですよね?」
など、少し距離を置いて客観的にゼッチを観ている方もいるのです。

パース


ZEH(ゼッチ)検討の現場から


ゼロエネMJ
この表は、国交省で行っている地域型住宅グリーン化事業のゼロエネルギーハウスの申請に用いられる書類の一部です。
検討物件の通知表のようなもので、検討結果がこの1枚に集約されています。

地域や面積を入力すると、勝手に基準一次エネルギー消費量が算出されます。
この地域で、この規模の住宅だったら、これくらいのエネルギーを使うだろう、というデフォルト値。(青色の囲み)

それに対して、断熱性能や暖房方式、給湯方式など様々な仕様を入力し終えた○○邸の、設計上の一次消費エネルギー消費量が算出される(赤色の囲み)
この家の場合、建築地は長野市、延床面積は121.36㎡(36.7坪)。
基準値が 108,970 に対して、 64,679 。
「お~、けっこういいじゃ~ん」
となるわけです。
項目別にみると、圧倒的に節約しているのは「暖房」。
基準値の半分程度にまで削減できていることが分かります。

冷房はむしろちょっと多め。
換気も約半減。でも、全体からすると、そもそもあまり消費量は大きくはない。
照明もLED照明の全面採用で激減。
給湯は、まあまあ、といったところか。

こう見ると、暖房と給湯で全体の80%以上を占めていることが分かるわけです。

でもって、基準よりも削減できたエネルギー量と、太陽光パネルによって生み出した発電量(黄色い囲み)を足して、
それが、基準一次エネルギー消費量を上回ればゼロエネになるよ、ってルートになります。

このお宅の場合は、約6KWの太陽光パネルでこうなりました。
ちなみに外皮平均熱貫流率Ua値=0.46、Q値=1.68 です。
この地域の基準Ua値は=0.75ですから、断熱性能をそれなりに高めています。

まぁ、基準値の0.75でいいじゃん、ということにしてしまうと、太陽光パネルは9kw程度にまで増やさないとゼロエネにならなくなります。結果、南向きに片流れの屋根で、エアコンやらエコキュートやら、LED照明やら、
よくあるメカメカしい家に成り果てます。

ところでこの表の”MJ”という単位。
呼び方は「メガジュール」といいますが、普段の生活ではまったくピンとこない単位ですね。
メガは1、000、000倍(百万倍)、という意味ですから、この家の場合、年間の設計一次エネルギー消費量は、
64,679×1,000,000=64,679,000,000ジュール、ということになります。

あっけにとられる単位ですが、ウィキルと、
「1 KJ の熱量で、0 ℃、5 g の水の温度を 50 ℃ 上げることができる」、とあります。
それでもやっぱりピンときません。

先月、東京電力福島第一原発事故の賠償や廃炉などにかかる費用が総額20兆円超えるという報道がありました。
20兆は \20,000,000,000,000
1億人で割ると、一人当たり2万円の負担となります。えらいことです!泣

ジュールも兆も、なんだか今回のコラムは気の遠くなるような数字が並びましたが、
これから家づくりを考える人は、ぜひこの3冊の本を読んだうえで、ZEHを検討していただきたいと思います。

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