米国債、デフォルト(債務不履行)回避で原則合意!それでもくすぶるリスク

テーマ:資産形成


年中行事とも揶揄されるアメリカの債務上限問題

債務不履行”デフォルト” 「債権の利払いや額面の金額が約束通りの期日に支払われないこと」

過去、デフォルトした国には、ギリシャ、アルゼンチン、エクアドル、ロシア、ウクライナなどがあります。アメリカにおいては、国債発行で資金調達できる額の上限が法律で決められており、これに達すると新たに国債発行ができなくなるため、財政問題が深刻化し債務不履行に陥ってしまいます。
今回、アメリカ民主党のバイデン大統領と、共和党のマッカーシー下院議長は、米国時間の5月27日に債務上限の引き上げに基本合意したと報道されました。
上下両院議会での法案可決までには、まだ問題が解決したとはいえないものの、6月5日とされるアメリカ政府のデフォルト回避期限”Xデー”前に、解決に向かう可能性が高まりました。
2011年に起きた際には、Xデー数日前に債務上限が引き上げられたため、デフォルトは回避されましたが、大手格付け会社のS&P社は米国債の格付けを引き下げ。それにより大幅な株安やドル安に陥ったこともあり、経済への大きな影響が払拭されたわけではなさそうです。

今回のようなアメリカ国内での政治闘争によって、自国だけでなく世界の金融市場のリスクを高めたことに、他国からは強い批判があるそうです。世界のリーダーシップを握る国としてのアメリカの存在も揺るがすことにもなり、対立する国々からは、米国型民主主義の弱点が露呈されたとの論調も。
この点からも、今回のデフォルトは回避されたものの、債務上限引き上げをめぐる混乱は、アメリカに大きな傷跡を残したのかもしれません。

物価高は医療費にも…私たちの負担はますます重くなる

日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の三師会は、政府に対し財政措置を求める合同声明を公表。
年45兆円にものぼる医療費が、来年には物価高を反映する形で、さらに大きく上振れする可能性が高まっています。

保険医療は、政府の定める診療報酬で提供され、経費増加分については患者の医療費に転嫁できない仕組み。直近の物価上昇により、家庭や企業と同様、賃金や光熱費の負担が増しているため、2024年4月の診療報酬改定で物価動向の反映を訴えています。
一方で、新たな少子化対策をめぐる議論では、医療費などの社会保障費削減で財源をねん出する方針。岸田政権は、医療機関の経費増には配慮をしつつ、医療費全体はスリム化を進めるという難題を抱えており、医療費をどう抑えていくか…医療費の自己負担増などの医療保険制度体系の見直しと合わせ、中長期での医療費の伸びの抑制や、生活習慣病対策への取り組みなどの改革を推進いただきたいものです。

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