円安で高まる期待【インバウンド】需要 10月11日からの水際対策緩和でメリットを生かせるのか…
続く物価上昇、電気代も3割値上げか?
40年ぶりの高水準、日本のインフレはまだ海外に比べれば伸び率は限定的、経済協力開発機構(OECD)加盟38か国中で最も低い状況。
物価上昇と賃金上昇にはタイムラグがあり、米国のように大きな賃金上昇期待も薄い中、物価が上がり所得が増えない私たちの生活はどうなるのでしょうか。
電気代の3割値上げ+値上げラッシュでデフレ脱却できる?
11月24日、東北電力が家庭向け規制料金を平均32.94%値上げする申請を経済産業省に行いました。
他の電力各社も約3割の値上げ申請を検討しているとのことです。
現状では、販売価格を上回るコスト上昇分を、電力各社が負担しており、その結果、2023年3月期の業績は、公表している8社すべてが最終赤字の見込みとのこと。
一方、政府は電気料金が2割以上値上がりすることを前提に、第2次補正予算編成で支援策を打ち出しています。
ただ仮に3割の値上げとなれば、補助金では補いきれず想定外の負担が家計に重くのしかかる恐れもあります。
電力以外にも値上げのすそ野は広がる一方。
円安を背景に、これまでは内容量を減らすステルス値上げなどで乗り切ってきた食品メーカー各社も、小売価格の改定に踏み切っています。
スーパーのPOSデータから算出する調査では、11月上旬に3%以上値上げした品目は全体の54%に達し、今後も増加する見込みとなっています。
日本が30年来苦しんできたデフレからの本格脱却の兆しともみえますが、米欧のように賃上げが伴わなければ、購買力の低迷から再びデフレの沼に逆戻りの可能性もあります。
注視しなければならないのは、来春の春闘、賃金交渉です。
年金制度持続のため?納付期間の5年間延長が議論に
2025年の年金制度改革に向け、国民年金保険料の納付期間を5年間延長、20歳から64歳までの45年間にする案が検討されています。
コロナ禍もあり出生数が減少したこともあり、このままでは年金制度が持続できないから…との判断です。
財政検証により、約30年後の国民年金受給額は現在よりも約3割減ると試算されています。
年金減少による生活難で、生活保護に移行する人が増えると、制度破綻にもつながりかねない懸念も言われ、納付期間延長が検討されています。
これが決まると、仮に保険料が現在と同じ額で5年間延長された場合、約100万円の増加となります。
自営業者や60歳で定年退職する方、60歳以降も厚生年金に加入せず働く方などの負担が増えることになります。