もう無くしても大丈夫!?さようなら【年金手帳】
世界トップクラスの長生き国、日本
”あなたは何歳まで生きたいですか?”
令和元年にBIGLOBEが行った『年齢に関する意識調査』によると、
全国の10代~50代男女1,500人を対象に行ったアンケート結果、
希望する寿命の平均は77.1歳
対し、令和2年7月に厚生労働省が発表した令和元年簡易生命表によると、男性が81.41歳、女性87.45と、ともに平均寿命は過去最高、男性は世界第3位、女性は第2位の水準です。
同じく令和2年度版の厚生労働白書では、
「2040年時点で65歳 (2022年時点で47歳) の人は、男性の約4割が90歳まで、女性の2割が100歳まで生きる」と推計され、いよいよ人生100年時代が現実のものになってきました。
一方で、“健康上の問題で日常生活を制限されることなく過ごせる期間”である『健康寿命』は、令和元年度値で男性が72.68歳、女性は75.38歳と発表されています。
恐ろしいことに、10年近く“生きているけど日常生活を制限される”状態での生活が続いてしまうかも…
長生き社会はバラ色?
令和2年9月にセコム株式会社が20代~60代以上の男女500名を対象に実施した『老後の不安に関する意識調査』では、
・8割以上が「老後の不安を感じる」と回答、特に50代女性では約9割が不安を抱える結果
・老後が不安な理由は「1位:病気、ケガ」「2位:経済的な負担」「3位:介護」
・回答者の半数以上が老後に備えた対策をしていないと回答、「具体的にどのような対策をすればよいか分からないから」との回答が約6割
長生きしたい、というわけではないけれど、『長く生きてしまう』問題。
悠々自適、優雅な老後……なかなかそんなイメージは持てないようです。
年金制度が変わります
そんな中、令和4年4月から公的年金制度が改正に。
・繰り下げ受給の上限年齢引き上げ
66歳から70歳までとなっている老齢年金繰り下げ可能年齢について、上限を75歳に引き上げ
・繰り上げ受給の減額率見直し
繰り上げ受給をした場合の減額率が1月あたり0.5%から0.4%に変更
ほか、
・在職老齢年金制度の見直し
・加給年金の支給停止規定の見直し
・在職定時改定の導入
・国民年金手帳から基礎年金番号通知書への切り替え(さらば年金手帳)
特に、巷で話題になっている繰り上げ、繰り下げ受給については、主に下記のような注意点があります。
・繰り上げ受給する場合は<老齢基礎年金><老齢厚生年金>同時に行わなければならない
※繰り下げはどちらか一方だけでも可
・『損益分岐点』に注意
70歳まで繰り下げる場合:82歳
75歳まで繰り下げる場合:87歳
との試算。
さらに、第一生命経済研究所 主任エコノミスト星野さんのレポートによれば、上記はあくまでも額面の分岐年齢であり、実際の手取り額(税金や社会保険料の負担を差し引いた額)では、年金収入150万円の場合
・『手取り額の損益分岐点』
70歳まで繰り下げる場合:87歳
75歳まで繰り下げる場合:91歳
にまで上昇するとのこと。
私は絶対90歳以上生きてやる!という方は、繰り下げを75歳まで行って“トントン”かも、ということでしょうか。
上記以外には、
・繰り下げた分の受け取り方は意外と融通がきく=繰り下げて増額された年金額を生涯受け取る他に、繰り下げ前と繰り下げた後の年金額との差額を年数分一括で受け取ることも可能
・迷ったら繰り下げ=年金受給は請求して払われる仕組みであり、受給の請求を行わなければ65歳以降自動的に繰り下げられる(必要な年齢になったら請求する)
などがあげられます。
※詳細は公益財団法人生命保険文化センターのサイトを参照
確実にやってくる長い老後のために…「今、何をするべきか?」
多くの人が不安と回答した、<病気、ケガ、経済的負担、介護>への備え。
- 何はともあれ体が資本! 一日も長く、健康で生き生きと働き、収入を得ていこう
- コツコツ投資で資産形成! 一日も早く、自助努力での資産形成行動を始めよう
- 『今さえよければ』はNG! 目先の快適、快楽だけでなく、未来の自分のための行動も心がけよう
時間はあっという間に過ぎていきます。
今すぐ、小さな行動から…人生100年時代への備えを始めましょう。