外貨建て保険への加入はアリ!?メリット・デメリット…知っておくべき5つのポイント
公益財団法人生命保険文化センターがまとめた『令和元年度 生活保障に関する調査』によると、令和元年の民間保険のがん保険、がん特約の加入率は37.5%
2001年の調査では19.1%、約20年で倍近くに増加しました。
この実態に対し、がん保険不要を唱えるネット記事や書籍などが多数あるのも事実。
私自身、相談者から“がん保険は必要か?”と問われることは少なくなく、日々考えさせられる課題の一つでもあります。
がん保険:要・不要 双方の主張を考える
【がん保険不要論の主旨】
・公的医療保険制度で十分対応可能:高額療養費制度、傷病手当金が受けられる
保険診療で受けられる「標準治療」、多くのエビデンス(医学的証拠)によって実証されえた裁量の治療法であり、それを受けるためにはある程度の貯金があれば大丈夫
・若いしがんになる確率が高くない
・掛金がムダ、その分貯蓄しよう
など
【がん保険必要論の主旨】
・医療費以外にお金がかかる
定期検査費用、通院にかかる交通費、健康食品やサプリ、がんについての書籍、家族の外食費用
退院後の検査のための通院等
・収入減少の恐れがある
がん治療にあたり労働時間の制限(残業制限など)や休職をしたため所得が下がる
・再発、転移リスクに対応できる
など
結局、がん保険は必要なのか?
がん治療にかかる費用は、診察、手術、入院費など、自己負担3割の医療費だけではありません。
前述の通り、状況次第で選ばざるを得ない個室にかかる差額ベット代、食費、衣類等のレンタルなどです。
実際に、大部屋での入院治療は本当にストレスで、できれば個室に入りたかったとの声が多いのも事実。
また、がんになっても生活費、住宅ローン、子供の教育費負担が減るわけではなく、働きつづけなければなりません。退院した後も、抗がん剤や放射線治療などのための通院では仕事を休まざるをえず、有給休暇を消化してしまえば当然収入が減ります。(平成26年の東京都福祉保健局調査では患者本人の収入が減った人の割合は56.8%)
また、会社員では部署移動、依願退職、解雇などのケース、自営業者は休業、廃業に追い込まれることも。
特に自営業者には傷病手当金が無いため、高額療養費制度はありますが収入の減少は避けられません。
また、がんになり経済的に困ったこととして、
・高額療養費制度を使っていても月をまたぐと費用負担が大きかった
・所得が高く、高額療養費制度適用後の自己負担額が月に10万以上になってしまった
・抗がん剤治療が高くてできなかった
・子供たちの進学でお金がいるのに自分の治療に使うことに罪悪感を覚えた
・休職し傷病手当金を受けたが住宅ローンのボーナス返済に苦慮した
などの声があります。
確かに。十分な貯蓄があれば、民間の医療やがん保険は必要ないかもしれません。
ただし、がんのステージ、治療や就業状況によっては収入が減り支出がかさみ、大切な貯蓄を取り崩さなければなりませんし、病状により標準治療以外の選択肢を選ばざるをえなくなるかもしれません。
また、転移や再発リスクにも備えたいところです。
…ということでまとめると、がん保険が必要と考えられるのは下記のようなケースになります。
・自営業者
・治療、休業、所得減少に備える十分な貯蓄がない
・貯蓄を減らしたくない、減らせない事情がある
・遺伝性のがん(特定の遺伝子に変異がある)が想定される
大腸がん、乳がん、卵巣がん、骨軟部肉腫、皮膚がん、泌尿器がん、脳腫瘍、内分泌系主要など
がん保険は不要と思う人には、保険料はまさに“ムダ”なお金。
“必要と思う人”には必要であり、保険料の金額と備える保障の内容次第
ということになります。
私がおすすめしたいがんの備え
・80歳で終了してしまうことのない【終身保障】
・複数回、無制限、1年に1度給付が受けられる【診断一時金】
・高額療養費適用後の自己負担をカバーする【月額治療給付金】※放射線、抗がん剤治療、自宅での緩和療養等
・がんを含む3大疾病で所定の要件になったら保険料がストップする【保険料払込免除】
を鑑み、検討いただけたらと思います。
内容も分からずただ加入している 安いから入り続けている 何かに入っていれば安心…
そんなあなた。
一度立ち止まって、がん保険について一緒に考えてみましょう!