アフターコロナ期…日本経済の回復、経済活動再開からみる有望な投資テーマは?
■身近に起きている詐欺
少し前になりますが、フィッシング対策協議会から注意喚起情報が発信されました。
『<日本年金機構>個人年金電子ファイル情報更新』などの件名メールが届き、
“年金手続きなどをネット上でできるサービスを有効にするには、以前に登録した個人年金情報を更新する必要がある”
などと偽って、文中のリンクから偽(フィッシング)サイトに誘導し個人情報を盗み取る、というもの。
最近では、ソフトバンク社もフィッシング詐欺への注意喚起を発表。
同社からの重要な案内をかたるメールやSMSが確認され、記載のリンクから誘導されるサイトに飛び求められる情報を入力していくと、意図しない住所変更や機種変更がされる可能性があるそう。
など、ほんの一例ですが、日々私たちはそんな詐欺リスクにさらされています。
くれぐれも、怪しげなタイトルやおかしな日本語のメールは開かない、メールに記載されているリンクを安易にクリックしない、など思わぬ詐欺に巻き込まれないよう注意が必要です。
■銀行システム等に関わるトラブル
何かと世間を騒がせ、他人事ではいられないのが銀行のシステムや預金の不正引き出しによるトラブル。
3大メガバンクの一つ、みずほフィナンシャルグループでは、2021年2月から現在まで、6回もシステム障害によるトラブル
【窓口での振り込み入金手続きストップ、ATM停止、顧客が紛失したカード利用停止処理ができず他行ATMで不正引き出し50万円の被害】
などを引き起こしました。
また、昨年秋に大きな不正出金問題が起きたNTTドコモ。
NTTドコモが提供する電子決済サービス「ドコモ口座」を通じ、銀行口座から不正に預金が引き出されました。
これは、犯人が被害者の口座番号や暗証番号を何らかの方法で入手し、被害者になりすましドコモ口座を開設、銀行口座からチャージする手口。
ドコモと契約していない人が犯罪のターゲットとなり、トラブルの原因は口座開設時の確認手続きの甘さとされています。
不正出金の被害総額は約2,000万円にのぼりました。
このトラブルにあたっては、被害額の過半数がゆうちょ銀行から生じており、ゆうちょ銀行においてはPay Pay、LINEペイ、メルペイ、Kyash、ペイパルなど、ドコモ口座以外の複数電子決済でも同種の不正出金があったことが分かりました。
もはや、「投資なんて危ない、現金を畳の下に隠しておくか、銀行や郵便局に預けておくのが一番安心♪」などといった考え方では、私たちは自身の大切な資産を守ることはできません…
■不正出金被害に遭わないために
- 付き合いで作った休眠口座を整理する(残高をゼロにするか解約)
- 出金時にメッセージが来るような銀行を選択
- 不正な出金がないか定期的に取引や残高を確認する
等の自助努力が必要です。
■現預金の自己防衛だけで安心か?
現預金の自己防衛はマストですが、果たしてそれだけで充分なのでしょうか?
令和元年、金融広報中央委員会がまとめた<家計の金融行動に関する世論調査>によると、
全世代の平均保有額(全資産)に占める割合は、
- 預貯金・金銭信託 43%
- 保険(個人年金含む) 33%
- 有価証券(株、投資信託)等 24%
となっています。
国はかねてから、『貯蓄から投資へ』を推奨してきました。
若い方を中心に、気軽に投資を始める人も増えています。
しかし現実には2020年以降、資産運用よりもむしろ普通預金の割合が増加しており、国民の資産は現預金に多く振り向けられ、家計の現預金は1,000兆円を超えるまでになっています。
では現預金が何より安心、は本当なのでしょうか?
事実。この70年間で日本のお金の価値は8分の1に下がっています。
70年前の1,000万円の現金は現在125万円の価値しかない、ということです。
ちなみに、1950年当時……
公務員の大卒初任給4,223円(現在は大卒の国家公務員は約22万円) 牛乳12円、喫茶店のコーヒー25円、ラーメン20円、銭湯10円、週刊誌15円、新聞購読料70円
物の値段が上がれば当然お金の価値は下がります。
この『現金価値の低下=インフレリスク』、先述の不正出金リスクだけでなく、資産をタンス預金や銀行口座などの現預金だけで保有すること自体が、実は大きなリスクなのです。
■大切な資産を守り、安心して生活し続けられるために
まずは詐欺やトラブルに遭わないよう対策をすること。
そして、現預金だけでなく、債券、株式、不動産、時計、金などの現物にもバランスよく資産を振り分け、リスクを分散しましょう。
皆様それぞれの具体的な方策については、ぜひ私たちFPにご相談ください!!