看板屋は、街を見る仕事でもある。

「ここに文字を追加できますか?」
「ロゴも大きくしたいです。」
デザインを進めていると、こんなご要望をいただくことがあります。
もちろん、ご希望はできるだけ形にしたい。
でも、そんな時こそ私が考えるのは、
「本当に必要かな?」
ということです。
看板も車両マーキングも、伝えたいことを全部入れようとすると、かえって何も伝わらなくなってしまいます。
会社名。
電話番号。
サービス内容。
キャッチコピー。
SNS。
QRコード。
全部大切な情報です。
でも、それを全部同じ大きさで並べたら、お客様はどこを見ればいいのか分からなくなります。
私は、デザインは足し算より引き算だと思っています。
「何を入れるか」より、
「何を入れないか」
を決める方が難しい。
だからこそ、お客様には
「ここは思い切って減らしましょう。」
とご提案することもあります。
不思議なもので、情報を減らしたデザインほど、会社名や伝えたいことは印象に残ります。
余白もデザイン。
シンプルさもデザイン。
見やすさもデザイン。
派手さだけが、良いデザインではありません。
今日のひとりごと
今でも街を歩くと、看板を見てしまいます。
「あと一行少なければ、もっと伝わるのにな。」
そんなことを考えることもあります。
私自身も、デザインをするたびに
「もっと削れないかな。」
と自分に問いかけています。
完成したと思ってから、もう一度見直す。
その時間が、実は一番大切なのかもしれません。


