笑顔で元気な毎日を過ごすために、足もとから健やかな体づくりをサポート（3/3）

住み慣れたわが家や地域で暮らすためにも、体を支える足の健康が大切

　「私自身がもともとは猫背で、ペタペタとペンギンみたいに歩いていたんです。ある日、祖父母の勧めでベネシュの靴を履いてみると、不思議と背筋を伸ばして歩けるようになったことが、今につながっています」と野口さん。

　小さい頃は祖父母と過ごす時間が長く、地域で助け合いながら暮らす高齢者を当たり前に見て育ちました。高校卒業後は福祉系の専門学校に進み、10年ほど介護職に従事。きっかけは、認知症を患い施設に入居した曽祖母とのやり取りでした。

　「おしゃべりが好きだったのに骨折をきっかけに言葉を話さなくなりショックでしたが、会いに行くと楽しそうにしている姿が印象的でした。ただ一度だけ、帰る私を車いすで追いかけて来たことがあり、『家に帰りたい』という気持ちに気付き、介護職を目指したいと思うようになりました」

　日々、数多くの利用者に向き合い、「『最後まで自宅で』という願いを、何とかかなえることはできないだろうか」と道を模索する中、足管理に出合います。「この仕事は予防」という一言が、足管理健康療法士を目指す動機になったと語ります。

　「年齢を重ねて心身の機能が落ちても、できることにフォーカスすることで、できることが増える場合もあるんです。人が持つ可能性はすごいのだということを、介護の場で学ばせていただきました。50代、60代から10年、20年先を見据えて体を支える足から予防に取り組み、住み慣れたわが家や地域で、生き生きと笑顔あふれる毎日を送りましょう」

（取材年月：2023年5月）

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