塾長の考え(小6のCちゃん)【後編】
目標を設定する。
学習を開始するときに、
「次のテストでは80点を目標にする」
などと目標を立てる。
そして頑張る。
その結果、
1.80点を取れる
2.80点を取れない
いずれかの結果が出る。
結果が出た場合。
「次のテストでは90点を目標にする」
そうやって再び努力する。
結果が出なかった場合。
「(再び)次のテストでは80点を目標にする」
そうやって再び努力する。
…これで何か文句がある?
…これでいいじゃん!
…努力しているんだから良いよね!?
私が今まで塾で指導をしてきて、
痛切に感じていることのひとつは、
生徒によって、
「学習の質」に差があるという事実。
塾に来れば努力(勉強)する。
自宅では努力(勉強)しない。←コレ、問題!
だから、
「毎日塾に来れば問題は起きない!」
そう思い込む塾長が出てくると、
「どうやって毎日塾に生徒を来させようか?」
と考えることになり、
あの手この手で生徒を勧誘するだろう。
親御さんにも熱心に話すはずだ。
「塾に毎日来れば悩みは解決しますよ」と。
だが、
それは根本的な解決には絶対に至らない。
とくに高校生。
単純に学習時間を増やす。
塾での(自習室での)勉強時間を増やす。
「増やせば解決するんだ!」
と信じているのだろうが、
それで結果が出る場合は2つ。
〔ケース1〕
生徒の頭脳がもともと優秀で勝手に良くなる。
〔ケース2〕
時間が増えれば知識が増えて、
知識が増えれば成績が上がるレベル、
まだその段階にいる生徒限定。
「ケース1」の生徒の場合、
そこの塾の力量とは関係なく結果が出る。
その生徒特有の才能で結果が出るため、
同じような結果を他の生徒でまず再現できない。
塾生ではあるが、
1.勝手に英検を受けてきてはあっさり合格。
2.学校のテストがあれば学年上位の成績。
3.「質問は?」と聞いても「ありません!」。
こういう生徒は実際にどこの塾にも存在する。
塾の指導の影響力は…ほぼない。
その生徒は自由に学習していくのみ。
「ケース2」の生徒の場合、
その生徒は今までに勉強することが少なかった。
そのため本人の学力はおそろしく低い。
この生徒の場合は慎重に対処しないと、
そこの塾のやり方で壊すこともある。
基礎力をつけるためにていねいに指導すれば、
時間はかかっても必ずできるようになる。
根気と忍耐力が指導者に要求される。
だが、
「次のテストで結果を出す!」
といったやる気のある塾長や講師の中には、
時間をかけて1段ずつという発想ではなく、
その生徒の成績を一気に伸ばそうとする。
「テスト範囲の問題と答えを暗記させろ」
という方針でテストの対策指導をする。
結果暗記大会になったテストで結果が出てくる。
定期テストや休み明けの課題テストだ。
「範囲の問題の答えを暗記すれば成績は上がる!」
勘違いした生徒は、
次のテスト範囲の問題の解答暗記に突き進む。
(続く)