情報大洪水の時代(その14)
「Hちゃん、スピーキングどうだった?」
Hちゃんは昨日(と言っても先週の日曜日)、
英検の二次試験だった。
スピーキングの試験だ。
準1級とは大学2年生の学習終了程度のレベル。
ライティングとリスニング、
これらの内容は大学受験生という立場で見ても、
相当に難しいが、
これは一次試験でなんとか突破できた。
しかし、
客観的に見てスピーキングの検定レベルは、
もはやかんたんな日常会話のレベルではない。
これはストーリーを説明できる能力と、
自分の意見を的確に述べる能力、
この2点が高度なレベルで要求されている。
ハッキリ言って厳しい試験だったはずだ。
このことはやる前から十分にわかってはいた。
が、しかし!
「先生…、けっこうしゃべることができました」
「え、そうなの?」
「はい、検査官の方がとてもやさしくて…」
「やさしくて…、ああ、そうなんだ…」
「はい、1ヵ所だけ自分でもうまく言えなくて…」
「ああ、そう、え、1ヵ所だけ??」
「はい、それで他は何とかしゃべれたんです」
「そ、それはすごいね…、よ、良かったね」
「はい」
「ところで…、事前に訓練していたことは?」
「はい、先生の分析してくれた通りでした」
「お、やはりそうだったの?」
「はい!」
「あの方法でうまくいったということかな?」
「はい、そのままでした」
「それでうまくしゃべることができたの?」
「はい!」
「おお、それは…良かった、ハハハ」
「あはは」
「( ̄∇ ̄;)ハッハッハ」
「あはは」
「いやぁ、Hちゃん、すごいね、短期間で…」
「はい(にっこり)」
「まあ、実際に合格しているかどうかは…ね」
「はい」
「ま、そればっかりはわからないけれどね」
「はい」
「でも今回の経験はいい経験だったね」
「はい!」
「貴重な経験だったよねぇ」
「はい!」
「今回もしも落ちていても…」
「はい」
「次回の秋の検定には大丈夫、合格するよ!」
「はい!」
「今回の経験を生かしていけば…ね」
「はい!」
「じゃ、また以前の勉強に戻ろうかな」
「はいっ!」
どうやら…、
まあまあしゃべることができたようだ。
それが合格レベルかどうかは私にはわからない。
何といっても、
「自分が当事者として経験したことがない」
その上英検の準1級のスピーキングは、
「生徒の受検指導をしたことが1度もない」
からだ。
ただし、
今回は準1級のスピーキングの問題を見てみて、
問題作成の意図と構成の主旨は、
見抜くことができたと思っているので、
自分なりの攻略法を編み出すことはできた。
だがそれが、
「合格」という結果に結びつかないことには、
指導の「プロ」として意味がない。
今回は指導期間が10日間弱だった。
次回また英検準1級を受検するのならば、
そのときこそは準備万端で受けさせたい。
大学受験本番がある来年1~2月においては、
確実に準備万端でHちゃんには受験させたい。
(続く)