塾長の考え(理想と現実)①
何度も言うが、
親子関係は人間関係の基礎である。
この問題には真剣に取り組まなければならない。
わが子が今何年生なのか?
①小学校の低学年なのか?
②小学校の中学年なのか?
③小学校の高学年なのか?
④中学1年生なのか?
⑤中学2年生なのか?
⑥中学3年生なのか?
⑦高校1年生なのか?
⑧高校2年生なのか?
⑨高校3年生なのか?
⑩大学受験浪人1年目なのか?
⑪大学受験浪人2年目なのか?
⑫大学受験浪人3年目なのか?
おおよそ①~⑫までの12段階ある。
これらの段階ごとに、
わが子への対処法はじつは変わる。
そう認識して子育てをする親御さんは、
いったいどのくらいいるだろうか?
私はその数は少ないと思っている。
昔、私が日曜日の夕方に、
テレビで観ていた「サザエさん」。
長谷川町子さん原作のマンガを、
今風にアレンジしてアニメとしたもの。
毎週日曜日、
私もこれを楽しみにしていた時代があった。
その中で興味深いシーンがあった。
磯野波平(サザエさんの父親)が、
実の母親と動物園に行ったときの話である。
このときの状況は2人、
波平の年齢は54歳だ。
母親が動物園入り口の受付で言ったセリフ、
「大人1人、子供1人」
ここが笑うところ、
つまりは「オチ」の部分だったのだ。
このときの波平のお母さんの年齢がいくつか、
それはわからない。
が、明らかに容貌はおばあちゃんであった。
波平は54歳なのだから、
入園するために購入しないといけない切符は、
「大人2人」
これが本来ならば正解である。
受付の女性が波平を見て、
子どもではなくいい大人だったので、
「え~っ」と驚いて…終わり。
そしてエンディングのテーマ曲が流れた。
「ほ~ら、ほ~ら~、みんなの~」
おなじみの歌である。
いまだに私はこのシーンを思い出す。
波平が54歳であっても、
その母親からすれば「子ども」なのは、
波平の年齢にかかわらず当然のこと。
でも、
動物園に入るときには、
その親子関係をそのまま用いるのではなく、
成人していれば「大人」料金で、
入園切符を購入しなければならない。
それが常識なわけだ。
波平のお母さんの主観と、
社会の中での常識とのミスマッチが、
この場合のオチだったわけで、
そこを表現しているからこそ、
当時の私も「吹いた」のであり、
楽しませてもらったのである。
これはクスっと笑うほほえましいシーン、
そういうシーンなのだが、
これと同じことが多くの家庭の中で、
「常識」として行われている。
疑いもなく…である。
わが子は、
保護者であるお母さんにとってみれば、
いくつであろうと「子ども」である、
このことは間違いない。
しかしながら、
12段階あるステージの中で、
どのステージにいる子どもなのかは、
主観的ではなく客観的に、
判断しなければ関係性がこわれる。
これを理解しておかなければならない。
わが子は常に成長過程なのだから。
(続く)