情報大洪水の時代(その21)
悪化した親子関係は修復できるのか?
親子関係で苦戦している家庭は要注意。
「要注意と言われても…どうすれば?」
「うちの子は高校生ですよ…今さら…」
親子関係は上手くいっていないが、
夫婦関係は上手くいっている。
そんな家庭があるだろうか?
あるにはあるだろうが、
少数派ではないだろうか…?
親子関係に限らず、
人間関係を良い状態に保つためには、
実は細心の注意が常に必要だが、
それを意識していない人が、
世の中にはかなりたくさんいるようだ。
「世の中の多くの人が…?」
私も数年前までは世間にあまり関心がなく、
自分のことや自塾の関係者(生徒、保護者)、
それから家族のことというように、
自分の身の回りの存在にしか関心がなく、
それ以外の人に関心をもっていなかった。
もちろん今でもその傾向は少しあるのだが、
現代はスマホ時代。
いくらでも世間の多数の人たちが、
何を考えてどう行動しているか、
その様子がSNSなどで容易に把握できる。
こんな時代になったことで自然と認識できた。
「多くの人たちが人間関係で悩んでいる」
1.人間関係(学校、職場、家庭)
2.金銭関係(経済力)
3.健康状態(病気など)
大多数がこの順番で悩んでいると思われる。
自分は学生だという場合は、
「学校の成績」が2番目に来るはず。
学校では人間関係のことを基本的に教えない。
(お金に関する教育もしない)
さて、親子関係についてだが…、
とにかく会話(対話)をすることからだ。
そのときにやりがちなことが、
せっかくわが子が自分のことを話し始めた、
その瞬間に聞き役に徹することをできずに、
「あのね、それは…」
と自分の過去の経験に照らし合わせて、
教育(と言う名の「説教」)をする。
わが子に向かって言葉の速射砲。
「そんなことを悩んでどうするの」
「言い訳はいいいから」
「だから言わんこっちゃないでしょ」
「とにかくお母さんの言うことを聞きなさい」
「あなたは何もわかっていないのよ」
発言の内容はいろいろあるわけだが、
実際のところ親御さんが言う内容は、
ほとんどが正論のはずだ。
「正しいことを私は言っているのよ」
だが、これが落とし穴。
優秀な頭脳の母親ほど、
わが子に対して責任感の強い母親ほど、
わが子に対して愛情がある母親ほど、
ついつい説教をする。
親子関係でまず気を付けることとは、
「説教をしない」ということである。
わが子の置かれた状況をよく聞き出して、
わが子が現状をどう認識しているか、
どのように感じているのか、
それを理解することが9割なのである。
残り1割が、
お母さん(お父さん)としての意見である。
「わが子の教育の責任は親にあるのだから!」
確かにその通りだが、
関係修復の第1手目は「傾聴」なのだ。
わが子の心情を理解することが1番目であり、
共感することが2番目。
親の意見は早くても……3番目だ。
(続く)