塾長の考え(佐藤ママ講演会)
HKちゃん(22歳)。
4月から予備校に通っている生徒である。
時は過ぎて秋になった。
これまでの成績は…何とパーフェクト!
模試という模試でオールA!
左から順番に東京もしくは神奈川にある、
私立大学の医学部医学科の合否判定が、
1つ残らずAを達成!
「こんな成績…今までにないです…」
ちょっとだけ潤んだ瞳が印象的だった。
さすがに泣きはしなかったけれど、
嬉しいという気持ちがこちらにも、
十分に伝わってきた。
お父さんの喜んだ表情が目に浮かぶ。
「まだまだ途中だよ」
「はい、わかっています」
元々中学受験で東京の名門中学に合格した、
その学力はやはり本物だったのだ。
あっという間に私が課した中学の内容を、
ことごとくこなして完走(全部9割以上)。
高校1年生から2年生の内容までを、
レベル4ならばこれまた9割程度を維持。
ハッキリ言ってこの学力状態は、
宮崎県の高校の普通科の定期テストならば、
満点近い点数しかとらないだろうな…、
そういう状態にまで仕上がってきた。
時は10月。
ここまでかかった月日は…6ヵ月である。
モノが違うとはこのことか。
こんなに基礎学力が短期間で養成できる、
優秀な頭脳をもっている生徒。
それであっても、
何回受けても合格しないのが医学科受験。
それも国立大学でなくて私立大学である。
「いったいどうなっているの?」
こんな優秀な生徒なら簡単に受かるのでは?
何度も指導中に思ったが、
実際に合格していないのだからしょうがない。
大事なことは今年合格させること。
そして、
東京のお父さんの元に返してあげること。
どうしてもやり遂げないといけない。
模試だけ順調な成績であっても、
本番の入試で結果を出さないといけない。
もちろん私立大学医学部医学科のレベルは、
平成初期のころと比べてみても、
難易度は上がりまくっていて、
国公立大学医学部医学科よりは、
まだ若干合格しやすいと言えども、
「難関」と呼ばれる私立大学の医学部は、
地方国公立大と同レベルかそれ以上、
そう思える場合が多々あった。
純粋に入試問題だけ見るのならば、
それらの大学の問題は…とても難しい。
それら私立大学の入試問題ではなくて、
あくまでもセンター試験(当時)、
これを基準にして作成された模試の、
合否判定ではあるが、
それでもオールA判定。
気分は上げ調子で後半戦に突入した。
今まで難しく感じていた高校の問題が、
レベル4とは言えどもスラスラ解ける。
それが嬉しくてしょうがない、
そんな感じで楽しく受験勉強を続けた。
大学入試センター試験まであと3ヵ月半。
私立大学医学部医学科受験までなら、
あと4ヵ月ちょっと。
宮崎から東京の予備校に行く、
そんな生徒はいるだろうが、
東京から宮崎にやって来た女の子。
(といっても、22歳だから大人だが…)
まだまだ道半ば。
それでも合格すると信じて走っていく。
(続く)