塾長の考え(九大受験)1
防衛大学校を受験したいという生徒、
Oくんである。
防衛大学校は正式には、
国立や私立などの「大学」ではない。
官立である。
いや、正確には、
大学校種別は「省庁大学校」。
設置者は「防衛省」。
所在地は「神奈川県横須賀市」。
防衛省の施設等機関の中で、
自衛隊の幹部自衛官を養成する、
教育・訓練施設である。
当然だが卒業式典においては、
内閣総理大臣や防衛大臣が出席する。
学生の身分は「自衛隊員」であり、
「特別職国家公務員」である。
よって、
大学入試とは言わず、
「採用試験」が正式な呼称となる。
令和5年度の採用試験は、
【推薦採用試験】
令和4年9月24日と25日。
【総合選抜採用試験(1次)】
令和4年9月24日。
【一般採用試験(1次)】
令和4年11月5日と6日。
いずれも土曜日や日曜日であった。
合格すれば翌年4月には、
「入学」ではなく「入校」。
そして学費はかからない。
学生が受ける講義も訓練も、
「課業(業務)」と呼ばれるもので、
「学生手当」の名目で、
11万円以上の月給が支給される。
要するに、
進学という考え方ではなくて、
もはや就職と言って間違いない。
人生の大枠が決まる試験と言っても、
決して過言ではない。
そういった点では、
医学部医学科受験と似ている。
さてその採用試験の問題だが、
例年(推薦・総合・一般)で、
1万人くらいの受験生がいるようだ。
受験料が無料なので、
「大学入試の腕試しにいいからね」
とかいう理由で自校の生徒に強制的に、
受験させる高校の学科もある。
そのようにして受験しても、
生徒側の意識(本音)としては、
「模試と同じでしょ、模試だよ!」
というものであり、
合格しても「行く気はないよ」。
そういう生徒が大多数である。
北斗塾に来ている高校生も何人かは、
「今度、防大のテストを受けます」
と言ってはくるが塾で対策はしない。
私からは、
「経験値を上げてくるならいいね」
とサラッと応対するだけである。
それで合格してくる生徒もいる。
行かないけれど。
ところが本気の生徒がいるときは?
それは前もって十分に対策して、
合格させないといけない。
それが学習塾の役目だからだし、
その生徒はそのために塾に来ている。
今回は、
10数年ぶりに本気の生徒が出てきた。
それがOくんということだ。
そういうわけで、
5月7日(日)は何時間もかけて、
昨年度の赤本(入試問題いや採用試験)、
これを丹念に読み込んだ。
まずは英語。
【傾向】
1.出題形式
2.出題内容
3.難易度
これらを確認した。
防衛大学校の採用試験問題を見るのは、
実に10数年ぶり。
英語の問題を見た。
その瞬間、
1つひとつの問題に対しての対策が、
頭の中に浮かんだ。
1問に対して4~5種類程度。
どのやり方がベストに近いかは、
この時点では決められない。
Oくんに実際に解いてもらい、
彼の答案を見てから決めるからだ。
(続く)