情報大洪水の時代(その17)
医学部医学科受験。
「医学部受験なら任せろ!」
みたいなことを言う塾がある。
本当に任せていいのだろうか?
いろんな学力の生徒がいるが、
通り一辺倒の授業をするだけでは、
ほとんどの生徒は合格できない。
もう少し詳しく言うと、
塾講師や予備校講師が集団を前にして、
過去の医学部医学科の問題を解く。
その解答作成の過程を解説する。
どこが問題解法のポイントであり、
どういう方向性で解いていくのか、
そしてどこまで詳しく解答を作成するか、
それを授業する。
「以上、これが医学部対策です」
「何か文句ある!?」
「ないよね、じゃバイバイ!」
…こういうことが、
本当に医学部医学科の受験対策なのか?
私は違うと思う。
これは単に過去問を解説しながら解く、
それを映画鑑賞のように見せているだけ。
それで生徒はできるようにはならない。
もちろんそれでわかる生徒は出てくる。
受講生の4~6割程度だろうか。
本当にできるようになるのは、
さらにその半分くらいだろう。
つまり、
2~3割くらいの生徒がその授業を、
「できる!」レベルまで昇華する。
「できる!」まで到達しないと、
そもそも勝負にならない。
受験のスタート地点に立てない。
「『できる』のがゴールじゃないの?」
そうではない。
勝負はいつか?
来年の1月もしくは2月である。
今できるようになった問題が、
来年の春くらいに解いても大丈夫。
そのように実力を維持しないといけない。
人間は本来忘れる動物である。
いつまでも暗記したものを忘れない、
そんな芸当は無理。
何度もメンテナンス(維持)のための、
努力が定期的に必要である。
それが…勉強なのだ。
その「勉強」をするという努力を、
ずっとあらゆる問題に対してできるのか?
1年間できるのか?(高3)
2年間できるのか?(高2)
3年間できるのか?(高1)
4年間できるのか?(中3)
5年間できるのか?(中2)
6年間できるのか?(中1)
簡単に言えば以上のとおりだ。
もしも小学6年生までの学力が、
ある程度高くて、
「そこから6年間継続した勉強ができれば」
かなり有望である。
これを非常に高いレベルで、
わが子4人にさせたのが佐藤ママだ。
ところで医学部医学科(国公立)は、
合格するのに要求される学力レベルは、
英語、数学、理科でレベル6の問題。
レベル6の問題が9割得点できないと無理。
大学によってはレベル7の問題も、
一部混じっているのでそれは5割弱。
5割弱はとれないと無理。
塾講師(塾長)に質問を持って行っても、
「映像授業を見ろ!」
と命令される場合は要注意。
その講師(塾長)は何もわかっていない。
攻略法も当然だがよくわかっていない。
主張することは「勉強法」だとか、
「学習時間の多さ」だとか、
「(うちは)映像授業がいいですよ」とか、
「医学部生が勉強を教えます」だとか、
そんな話が必然的に多くなる。
(続く)