塾長の考え(中間テスト)3
黙々と問題を解いていくAくん。
中学受験の問題ではあるが、
「適性検査」の問題は簡単ではない。
大人でもそう簡単には解けるとは思えない。
ちょくちょくミスをする答案を見て、
Aくんの思考パターン(傾向)が、
はっきりと見えてきた。
そこがこの特訓のねらいだ。
大学入試問題でさえ傾向があり、
問題を全部見ることができれば見当がつく。
これは◆◆大学の入試問題だな、と。
宮崎県内の私立高校の入試問題を見ても、
私は「これは▲▲高校の入試問題ですね」、
などとは答えられない。
見てもわからない。
というか、見る必要がない。
なぜなら塾生が私立高校受験で落ちたことは、
1度もないから。
宮崎県内において、
私立高校受験合格100%(30年連続!)。
このような表現をしたら、
事情をよく知らない親御さんたちには、
「すごい塾ね、100%だって」
と言われるかもしれない。
特に諸事情で都会から引っ越してきた、
宮崎の事情に疎い親御さんたちには。
しかし、
事実を良く知っている親御さんたちや、
他塾関係者ならどう思うだろうか?
「何でそんな(大したことない)ことを?」
(言っているのか)と思うだろう。
しかし、県立高校受験もそれに近い。
実際の本番はもう数日後に迫っているが、
本当に合格することが難しい学科は、
いくつかに限られており、
そこがダメでもスライドして、
一段下とみられる学科に合格する。
結局は不合格になりにくい仕組みだ。
そんな仕組みになっているのだから、
大学受験と違って不合格になる確率は、
相当に低い。
普通科高校それ自体の競争倍率も低い。
そもそも定員割れしている場合もある。
というか、
県立高校に合格しなさそうな学力の生徒は、
もうすでに私立高校に専願で合格している。
受かりそうな学力の生徒は県立高推薦入試で、
これまたもうすでに合格している。
「県立高校合格100%」と宣伝する塾は、
事実を言っているのだろうが、
あまり価値がないのになぜ言うのだろうか?
それはよくわかっていない親御さんたちに、
「価値がある」ように見られるから、
という目論見があるからだろう。
この一例を取ってみても私が言っている、
「情報大洪水の時代」
を私たちが生きている証拠となる。
「県立高校合格100%」
これをうたう塾を私は疑問に思っている。
必ずと言っていいほど、
「●●高校は無理だから■■高校を受験しろ」
「普通科高校ではなく、工業高校にしろ」
「商業高校ではなく、農業高校にしろ」
とか言っている事実が現在も過去にもあり、
塾生を説得して志望校を変更させている。
生徒本人にチャレンジさせず、
(県立高校ならどこでもいいとばかりに)
合格実績を作ることを目的にして、
「100%合格」を達成している。
その意図は何か?
本当に生徒のことを考えているなら、
長期的視野に立った指導をするべきだろう。
(続く)