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民法(債権法)改正を解説【Part4】「賃貸借契約から生ずる債務の保証に関するルール」

2022年1月24日

テーマ:不動産

コラムカテゴリ:法律関連

本日は民法改正(債権法)を解説「賃貸借契約から生ずる債務の保証に関するルール」が改正されました。賃貸借契約の中の連帯保証契約の中に、極度額を定めなさいということになりました。今回の法改正では、極度額・上限額の定めのない個人の根保証契約は無効とするルールが新たに設けられました。
根保証契約というのは、将来発生する不特定の債務について保証する契約をいいます。例えば、不動産の賃借人の一切の債務の保証がこれにあたります。根保証契約を締結して、保証人となる際には、主債務の金額が分からないため、将来保証人が想定外の債務を負うことになりかねません、極度額・上限額をきっちり定めなさいということになります。
これは当然その連帯保証人様です、自分が保障する際に「じゃあ一体どれくらいまでの範囲の中で保証すればいいのか」という定めがないと、とても不安で怖くて、保証契約ができない。やっぱり入居者さんがその保証契約をお願いする際にも、「いや、その金額が分からないのに、そんな分からない契約の保証はできない」と、断られるケースもよくあります。
なので、今回その改正がされて、極度額が例えば50万までとか、100万までと金額がきっちり決められることによって、連帯保証人が最初からそれを覚悟することができるわけですね。そうすると、分かっていた中で契約を結べば、貸す方も、借りる方もトラブルが起こることが減るということで、今回民法が改正されたと思っております。
弊社でお世話になっている顧問弁護士と話し合いをしたのですが、これを実態に合わせるとどういったシュミュレーションをすればいいでしょうか。
例えば、家賃滞納がありました。家賃の滞納を3カ月以上しております。この方との契約はもう解除したいです。だけどなかなか応じていただけないので、この契約の解除を、裁判所に申し立てしてください。申し立てが認められて、契約解除することが可能になりました。だけども入居者さんはなおその建物の中に入居しております。この方を強制的に退去させるために、強制執行をかけてください。じゃあこの期間はどのくらいかかりますか?ということをお話しした時に、最低でも半年を見てくださいと言われたのです。ですから、この極度額の保証の額を、いくらに認めるかということを考えたときに、例えばその裁判を申し立ててから、強制退去させるために、最低でも半年間いるので、まず6か月ですね。あとはその建物の中に残存物があった場合、これを配送業者にお願いする、処分をしていただくということになると、大体家賃の3〜4ヶ月分の費用がかかると考えると、最低でもその極度金額は、家賃の10か月分相当額以上と考えていいのかなと思います。
例えば家賃が5万円であれば、10ヶ月ですから最低でも50万円。それと滞納される恐れがある、例えばそれも半年と見ると、最低でもそこで80万円という金額になります。だから弊社で4月1日以降の、賃貸者契約の場合の家賃を勘案して、100万円ぐらいがその極度額の定め、になると思うのですが、実際その賃貸借の極度額の定めを運用する目安になってくるのかなと思います。
この民法改正を実際に運用していくためには、どういうふうにしたらいいのかなと皆さんが疑問等を感じれば、どうぞ村建地所にお問い合わせをいただければと思います。誠心誠意、皆様の質問に答えていきたいと思っております。

この記事を書いたプロ

村上則夫

不動産管理と終活のプロ

村上則夫(有限会社 村建地所)

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