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終活バトラー(執事)がこっそり教える「奥様必見!相続法改正」

2021年2月8日 公開 / 2021年3月1日更新

テーマ:終活

コラムカテゴリ:法律関連

コラムキーワード: 相続 手続き不動産相続 手続き相続対策

本日は「終活バトラーがこっそり教える、奥様必見、相続法改正」をお伝えしたいと思っております。
民法の相続法が昨年から改正になりまして、その中の是非奥様に知っておいておきたい、改正の内容をお伝えしていきたいと思っております。
まず第1点、義理の両親の介護が報われる、奥様が、旦那さん、長男さんと一緒にご両親と同居しておりまして、お父さんお母さんが介護状態になって、長年両親の看護をしておったということで、そのご両親が亡くなると、一生懸命身を粉にして、身を削ってご両親のお世話をしておっても、いざ相続になると、その療養看護の部分が相続でいくらご両親のお世話をしても、その介護の部分が相続には反映されないということで、ご長男のお姉さん、妹さん、弟さんの相続人が来て、私たちにも相続分をくださいと言って、相続分を持っていくわけで、その奥様は一言も言えずに、「私もご両親が生前中こんなに一生懸命に介護し、お世話をしたのに、何ももらえない」ということが今まででした。そういった問題が裁判でいっぱい取り上げられてきたものですから、民法で明文化しようということで、この義理の両親の介護が報われるということになりました。
しかし、いくら法律で明文化されても、これは実際に本当に運用されるのかということは、その案件が裁判等に訴えられれば、その相続人の方達がその内容を認めて「分かりました」と「よくお世話をしてくれましたね」ということで相続分をもらえれば、療養看護の分としてもらえればいいわけですが、争いになった場合はですね、それが裁判所でちゃんと判例として認められるような状況になって来ないと、なかなか運用は難しいというところにはなりますが、一応法律で明文化されましたので、義理のご両親の介護の面倒を見ている奥様達にも、その持ち分が請求できるということになりました。裁判になった場合のアドバイスですが、是非その介護の状況を、日記のようにつけておいていただく、急な出費があった場合には必ず通帳して、内容を記載しておいていただくということがとても大事になります。長年世話をしているとつい記録するのを忘れてしまいます。裁判になった場合、「じゃあその内容を詳しく説明してください」ということになると、やはり説明できないという方がやはり多くいらっしゃいますので、ぜひ日記に時系列で書いておいていただくことが、とても大事だと思っております。弊社の弁護士も、ぜひ日記等にして書き留めておいてくださいとおっしゃっておりました。ですから介護をなさるご両親がいらっしゃる奥様はぜひこのことを覚えておいていただきたいと思います。
それでは2番目ですね、「配偶者に贈与された自宅は遺産分割の対象外」ということでございます。これは奥さんが20年以上婚姻している旦那さんの名義である自宅、その自宅を2千万までは居住用財産の配偶者控除という制度が使えます。例えば自宅が3000万の評価のある土地・家、それを2000万分まで「私に下さい」と言うことが奥さんはできるのです。ぜひ旦那さんに請求してみてください。登記費用や、不動産取得税は当然自分のものになるわけですから、その負担をしなくてはいけませんが、不動産取得税だったり、登記費用は多分2~30万ぐらいずつだと思いますので、50万ぐらいの費用負担にはなりますが、それでも2000万分の土地・家を奥さんの名義に取得することが可能です。そして今までもうそういう規定があったのですが、今回の改正で、その旦那さんが亡くなったとして、相続財産が5000万以上あって、例えば相続税がかかる場合、以前まではその居住用財産でもらった2000万はもう1回、その亡くなった時点で相続財産に割戻しをしなくてはならなかったのですが、それを割戻しする必要がなくなりました。ですから5000万の遺産が、2000万円のその配偶者控除することによって、3000万円の遺産相続をするだけで済むということになるので、これはとても節税効果が期待される改正だと思いますので、ぜひこれも有効に活用していただきたいと思います。
これは当然もらう前提の中には、夫婦仲が良いということが前提でございますので、ぜひ夫婦仲良い状況で活用していただければなと思います。
そして第3点目ですね、これは今年の4月から新設されるわけですけれども、「配偶者居住権」というのが新設されます。これは所有権と居住権というものを分けるということですね。
例えばご主人がおりました。でご主人が亡くなって、ご主人が、長男さん、長男夫婦と同居しておって、当然奥さまもいらっしゃるわけですけれども、ご主人が長男にこの土地・家を相続させると遺言を書いたわけですね。それが執行されまして、長男さんが土地・家の名義を取得する、所有権を取得することになるのですが、その長男の奥さんから、「お母さんいつまで同居するんですか」なんて言われることがあるかもしれないのですが、そのときにお母さんは、居住権というのを主張することができるので、その家に住み続けることが可能です。出て行けと言われて、所有権はないのだから出て行けと言われることはありません。ですからドンと構えて、その家は当然お父さんとお母さんが大変苦労して購入した土地・家でありますから、その家に住んでいただいて結構です。それを公の権利として表すために民法では配偶者居住権を新設いたしました。今年の4月以降の相続が適用される案件に関しましては、配偶者居住権が使われますので、ぜひ奥さんはその家に住み続けていられるということです。これは心情的な問題もありますので、なかなかそれを続ける気持ちというか、モチベーションというのはとても大事だと思うのですが、家族仲良くみんなで住まいをするためにもこのような権利、今まではなかったものを今回の民法ではあらたに明文化した内容でございます。
今日は、奥さま必見、相続を改正ということでお伝えをしてまいりました。「終活バトラー」として前回からお伝えをしておりますが、私は「終活バトラー」終活をするための皆さんの執事として寄り添って、皆さんの疑問、質問に答えていきたいと思っております。
何か疑問の点がございましたら、弊社村建地所の問い合わせの方でご質問をいただければと思っております。

この記事を書いたプロ

村上則夫

不動産管理と終活のプロ

村上則夫(有限会社 村建地所)

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