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スイス相続法⑴(法定相続分)

小杉和

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テーマ:スイス法

 簡単な内容にはなると思いますが、これからこちらでスイス及びスイス法について少しずつ紹介していこうと思います。

 今回はスイスの相続を規定している法律から。日本における制度も紹介することで、日本法のことも知ることができる内容にしていきたいと思います。

 今日は相続の法律の中でも、法定相続分について取り上げます。

 遺言を残さずに人が亡くなると、その方の財産(遺産)は、その亡くなったその瞬間に法律が定める相続人(法定相続人)に、法律が定める割合(法定相続分)で帰属することになります。

 日本法においては、亡くなった方(故人・被相続人)に配偶者がいた場合の法定相続人は、まず①子や孫の下の世代、ついで②親やその上の世代、最後に③兄弟となります。

 なお、①から③には優先順位があり、①が②や③に、②が③にそれぞれ優先します。つまり、①の人が相続人になる場合には②以下の人は相続人になれず、①がなく②が相続人となる場合には、③は相続人になれません。

 そしてその法定相続分は、①が相続人になる場合には、配偶者が遺産の1/2、子や孫が1/2、②の場合には、同様に配偶者が2/3、親やその上の世代が1/3、③の場合には、配偶者が3/4、兄弟が1/4となります。子や親、上の世代、兄弟等が複数いる場合には上記相続分がさらに等分されます。

 これがスイス法の場合には、①の場合は配偶者1/2、下の世代1/2で変わりませんが、②と③が同じ扱い(優先順位)となっていて、配偶者が3/4、親あるいは兄弟が1/4となります。なお、配偶者がいる場合、祖父母以上には法定相続分は無しというのがスイス法です。

 配偶者がいる場合の法定相続分について見る限り、日本では親やその上の世代に1/3が法定相続分として割り振られている反面、スイスではこれが親のみの場合が1/4の法定相続分で、祖父母以上については法定相続分が無しとなっていて、日本の制度の方が親やその上の世代に対して寛容ということが分かります。

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小杉和
専門家

小杉和(弁護士)

法律事務所オフィス・エトワレ

スイス法に精通し、フランス語での手続や交渉に対応。国際相続や国際離婚、子供の連れ去りなど国境をまたぐ案件から、国内の一般民事事件や労働問題、家事事件から行政事件まで幅広く対応します。

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