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コラム

簡易裁判所の弁論

2010年9月7日

コラムカテゴリ:法律関連


ある簡易裁判所で弁論があったのだが、件数が異常に多く、待たされた。10時30分の弁論であるのに始まったのは11時である。それも次に予定が控えていたので、事務官に順番を変えてもらうよう打診して11時であったから、本来であればまだ後にされていたであろう。

 そもそも件数を詰め込みすぎである。国民のための司法というのであれば、まずは簡易裁判所の件数をどうにかすべきであろう。これは簡易裁判所で扱える事件の訴額を上げたことも関係しているであろう。何が司法改革かというもんである。

 また、簡易裁判所の裁判官は成り立てであるのか慣れていないようで、進行が遅いのである。内容のある事件になると、丁寧過ぎるくらいに聞いているので、時間が押せ押せになってしまっていた。
簡易裁判所の事件はほとんどが電話料金の未払であったり、消費者金融から借りている人の事件であったりするので、和解で終わるか、欠席判決であることも多い。
 別室で司法委員という人が和解をまとめるために協議しているのだが、和解が出来次第次々に弁論の間に和解を入れていくので、余計に待たされることになる。
 

 また、今日の裁判官は、丁寧に聞いたあげく、迅速審理迅速審理といって、異様に早く期日を入れたがる人で、相手の弁護士も私も無理だというとやたら強権的に怒りだして相手の弁護士と私はあきれかえっていた。あまり慣れていない様子であったので、力が入り過ぎていたのかもわからない。
 こちらからすれば、依頼者との打ち合わせの時間も必要だし、相手の主張も読まないといけない。ある程度の時間は当然必要である。どの弁護士も1件だけ事件をしている訳ではないし、それでは飯が絶対に食えないのである。

 簡易裁判所の裁判官は、地裁などでやっていた裁判官が定年後にやっている場合もあれば、司法試験合格していないで書記官から内部の試験で資格を取ってやっているケースの2種類ある(確か)。
 司法試験に合格していない簡易裁判所裁判官は二通りあり、弁護士に対して敬意を表してくれるタイプと、逆に対抗心があるのか強権的になるタイプがいるように思われる。弁護士の方もケンカしに法廷に行っている訳ではないし、訴訟遅延している訳ではないのにあまり強権的にやるのはどうかと思うのである。

 本当に実力のある人はむやみやたらに吠えたりしないことを考えて見ることである。

 あまり弁護士にケンカを売っていると、ケンカの手法として忌避申立をされたりいろいろやられかねないということをまだまだ分かっていないようである。弁護士は基本的に合法的ケンカのプロであるからあまり怒らせない方がよいのである。私も過去何回か裁判所と「いい加減にしろ」と思う時にケンカをしたこともあるが、私のいうとおりで終わっている。

 いつも裁判所とケンカをする弁護士もいるが、これもまた言葉に重みがなくなるので、中々どこで怒るかは難しいものである。

この記事を書いたプロ

中隆志

被害者救済に取り組む法律のプロ

中隆志(中隆志法律事務所)

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