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コラム

借金の整理法

2010年4月15日

コラムカテゴリ:法律関連


借金の整理には大きく分けると3つ方法がある(個人の場合)。一つは破産。2つ目は個人再生。3つ目は債務整理である。重要な話題なのでまた書いてみる。基本的には弁護士を依頼されることをお勧めする。費用を支払う値打ちはあると思う。

 破産は持っている財産をお金に換えて債権者に債権額に応じて分配して、残った借金について免責(法律上の支払義務をなくすこと)を目的とする手続きである。ただし、一般の人が普通に持っている財産程度であればお金にかえることなく、破産事件は終了し(これを同時破産廃止という。)免責をするかどうかだけを審査する。家財道具が取られることは原則ない。
 もちろん誰でも免責がもらえるのではなく、浪費やギャンブルなど、一定の行為によって破産した人には原則的には免責は認められない。原則と書いたのは、事情によってはそうした行為があっても裁量免責というものが貰えることがあるからである。
 破産しても意外に制限は少ない。弁護士になれないとかの制限はあるが、普通の職業であればまず安心である。
 ただし、住宅は手放す必要がある。

 住宅ローンを支払いながら、基本的にはそれ以外の借金の債権額の5分の1を支払えば残りが免除されるという手続きが個人再生手続である。破産が全く支払わない手続きであるのに対して、これは5分の1を支払うことで残りが免責される手続きである。もちろん要件を書き出すとここには書けないので、詳しくは弁護士に相談されることである。これは浪費などの理由があっても問題にはならないところがポイントでもある。

 最後は債務整理で、これは利息制限法に従って正常金利で計算した金額を全額返済する手続きである。同じような手続で、簡易裁判所で行う特定調停という制度もあるが、債務整理は基本的には裁判所を通さないところが異なる。

 借金がある人は、相談費用から「高いのではないか」「相談費用があったら今日の支払に」と悩まれていることが多いが、たいていの人は相談だけであれば、司法支援センターの法律扶助相談が使えるので相談料を無料にすることも出来る(ただし、支援センターに登録している弁護士のみ)し、京都弁護士会の多重債務相談は初回無料である。
 私も支援センターに登録しているので、私に相談される場合は、紙にちょこちょこっと書いてもらえれば相談料を無料にすることが出来る可能性が高い(国が支払ってくれるのである。)。

 また、弁護士を依頼した時の費用について悩まれている場合は、その支払い方や金額も含めて相談されることをお勧めする。
 もっと早く来ていれば、親族が弁護士費用を出してくれたかも知れないのに、借金の返済で借りまくって、もう親族も出してくれない…という人がかなり多いからである。

 弁護士を依頼すると、貸金業規制法という法律で、借りている本人に貸金業者は連絡が出来なくなるので、支払を停止しても怒鳴り込まれることもほとんどないこともよい点である。

この記事を書いたプロ

中隆志

被害者救済に取り組む法律のプロ

中隆志(中隆志法律事務所)

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