法教育というもの
物事にはいつか終わりが訪れる。
そう、“GOAT“(Greatest Of All Time)ことトム・ブレイディこと
トーマス・エドワード・パトリック・ブレイディJrが
NFLを引退することを表明したのである。
大半の方にとっては、「誰やねん」という話であろうから
「何が『そう』やねん」と思われたであろうが。
僕にとってはいつか来てしまうのではないか、と毎年思っていたことが
ついに現実になったのであるから、そんなことはお構いなしに続ける。
ブレイディは、去年の同じ時期にも「引退する」と言い
舌の根も乾かぬ約1か月後に、「やっぱり現役続けまーす」と表明したから
今回も「ほんまに引退するんかいな」と訝しがるむきもある。
しかし、僕は、今回は本当に引退するんだろうな、と思っている。
何か明確な根拠があるわけではない。
誕生日が8日違いの同い年だから分かる、というものでもない。
僕とブレイディには神が作りたもうた埋めがたい距離があることなど
当然自覚している。
今年のパスの成績は悪くない(むしろ、リーグでもよい方だ)が
シーズンを負け越して終わっている。
プレーオフには出られたが、初戦で負けている。
チームを勝たせることができていないということは、歴然とした事実である。
ブレイディは、そのことを重く受け止めるのではないだろうか
と思うのである。
ペイトリオッツ時代、勝てるメンバーを揃えるため
自分の年俸を下げることも受け入れてきた人物である。
45歳でNFLの現役で成績を残し続けていること自体
奇跡的なことであったが、やはりパフォーマンスが落ちていることは
見てとれるようになっていた。
何事も、始まりがあれば終わりがある。
同い年のブレイディが、NFLというトップ・オブ・トップの世界で
戦い続けている、ということは、「僕も頑張らねば」と思う
一つのモチベーションになっていた。
しかし、ブレイディの引退の報道は
「いつまでも人に励ましてもらってばっかりやったらあかんで」
と突きつけられるものであった。
始まりがあれば終わりがある。
そして、終わりがあれば始まりがある。
立ち止まっているように見えて、地球は回っている。
終わっているように見えて、実は始まっているのだ。
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弁護士西村友彦(にしむらともひこ)
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