終わりがあれば始まりがある
先日、仕事で熊本出張があった。
今は関西に移住しておられる依頼者の所有建物が熊本にあり、空家となっているところ
近所から物騒だとか倒壊が怖いなどと苦情が出たということで、その建物の処理について
現地の業者さんに内覧してもらい、進め方を協議するためだった。
その進め方についてここで話したいのではない。
今回熊本に行くための交通手段は、飛行機であった。
僕が話したいのは、飛行機についてである。
僕は未だに、なぜあんな巨大な鉄だかなんだかの塊が
空を飛べるのか、全く分からない。
ついでに言えば、なぜ、巨大な船が水の上に浮かんでいられるのかも
全く分からない。
大学時代からの友人で、西村という男がいる。
氏は同じだが、全くの赤の他人である。
高校も同じだったが、彼は、人気があったサッカー部、僕は日陰の硬式野球部で
同じクラスにもならなかったので、ほとんど面識はなかった。
その西村は、大学で流体力学を学んでいた(はずである)から
一度、飛行機が空を飛ぶ原理や、船が水に浮かぶ理屈を教えてもらったが
何を言っているのかさっぱり分からなかった。
何だかもっともらしいことを言っているだけで
ほんまにそんなことで飛行機が飛び、船が浮くんかいな、と思った。
僕が分からないというから、親切に教えてくれた西村には大変失礼な話だが
(西村は基本的にとても親切な人間である)
分からないものは分からず、今(もそのときも)、西村の言っていた説明は
何一つ頭に残っていない。
では、僕が、飛行機が飛ぶ原理や、船が水に浮かんで進むことができる理屈を
分からなければ何か困るかというと、何も困らない。
僅かなデメリットがあるとすれば、飛行機に乗りながら
「こいつは今順調に飛んではいるが、このまま最後まで順調に飛んでいる保証などないのではないか。もし何かがまかり間違って墜落したら...」
などと、理屈が分かっていないだけに、いらぬ不安を抱き、勝手に怖くなる
ということくらいだ。
だいたい、世の中のことを全て分かろうとするなど、どだい無理な話である。
分からないことがあって当然だ。
もちろん、弁護士をしている以上、法律に関しては当然のこと
仕事に関わることであれば、理解することは必要になる。
欠陥住宅の事件をやったときには、必要な範囲で物理について勉強して理解したし
医療過誤の事件をやったときには、当該疾患について勉強して理解した。
だから、事件をやるうえで、飛行機が飛ぶ原理や、船が浮かぶ理屈を理解する必要があれば
(どんな事件だか想像もできないが)必死になって勉強し、理解するのだと思うが
現在のところ、その必要性は生じていない。
だから、飛行機や船については、今のところ、分からないものは分からない。
人生、そうやって割り切ることだって必要だと思うのである。
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弁護士西村友彦(にしむらともひこ)
夷川通り法律事務所
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