弁護士に定年はない
人前で話すのは大変だ
ということを痛感する出来事が、今日あった。
人前といっても、大人の前で話すことは
ある程度、場数も踏んでいて慣れているし
何より、大人は、興味があろうとなかろうと
一応、その場では話を聞いているように振る舞ってくれるため
関心がないことが、直球でこちらに伝わってくることは、まずない。
しかし、相手が子どもだと、話は別である。
子どもは正直である。
そして、無邪気に人を傷つけることも、ある。
そのため、話を進めるに当たっては
子どもが飽きない仕掛けや、ポイントポイントで興味を引き続けることが
必要になる。
子どもを飽きさせてしまったら、そこで試合終了となる。
今年の年始にコラムに書いたように
弁護士会から派遣されて、小中学生に向けて法教育の授業を何度かしてはいるし
昨年末に、民間の学童で小学生に話をした。
弁護士会の法教育では、弁護士会が用意した教材を使用したし
昨年末の学童での話も、弁護士会の教材をベースに加工したものを使った。
そのため、ある程度、反応は予想できるものだった。
今日、昨年末と同じ学童で話をさせてもらった。
しかし、今回は、新しい試みとして、一から教材を作成した。
テーマは、「ジェンダー」や「多様性」の触りにした。
「男の子」「女の子」という括りで考えるのではなく「その人らしさ」を大切にしたいね
ということを伝えたいと思い
その前提として、「男の子らしさ」、「女の子らしさ」、こうあるべきというのがあるのか?
と質問した。
僕は、子どもたちから、もっとステレオタイプの発言が飛び交うと予想し
「そうじゃないんじゃないの?」というところに持っていきたかったのだが
実際は、予想が大きく裏切られ(よいことなのだが)
子どもたちは皆、「多様性」を心の底から受け入れていた。
そのため、僕の話は、一番盛り上がると予想していたところが
一切盛り上がることなく、何だか尻すぼみとなってしまったのである。
間に、憲法14条や13条の話を絡めていたので、最後にも無理矢理そこに結びつけたが
今回は、僕の作戦の完敗である。
子どもたちの感性を、心の美しさを甘くみていた。
今年に入ってから
大人向けの研修やセミナーで、綺麗に切り結ぶことができたと思っていた僕に
「人前で話すのは、そんな甘ないで。」と神様(何の神様か分からないが)が鉄槌を下したのかもしれない。
そんなわけで、まだまだ精進します。
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弁護士西村友彦(にしむらともひこ)
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