弁護士は伝書鳩ではない
多くの方は、何か揉め事が起こったとき
とりあえず、出来るところまで自分で対処しようとし
自分の手に負えなくなったら、弁護士に頼もうとされる傾向にある。
僕はそれがもどかしくてならない。
そのように考えていると
事件が起きてしまい、事後救済しかできなくなってしまう可能性が大きい。
一度事件が起きてしまうと
例えば、極端な例を挙げれば、児童虐待で子どもが亡くなってしまったら
弁護士が何をどうしようと、失われた子どもの命は永遠に戻ってこない。
そのように人の生命身体にかかわることでなかったとしても
例えば、組織内でのハラスメントについて
ハラスメントがあったとの申出がなされ、組織内で調査を行い、ハラスメントを認定し
行為者が納得せず、組織からの処分が無効であることを裁判所に訴え出る
などとされた後で、弁護士に頼まれたとして
弁護士ができることは、訴訟の枠組みの範囲内で戦うこと
つまり、原告の請求の当否を争うことのみであり
起きてしまった事件の収束方法の模索しかできない。
当該問題のあらゆる選択肢の中でのベストの落ち着きどころを探る
ということはできない。
事件は起こってしまってからでは、遅いこともあるのである。
「裁判になったら、弁護士に頼もうと思っている」
というようなこともよく聞くが、これは、交渉段階など初期の段階での
あらゆる選択肢の中でのベストの解決を、みすみす放棄しているようなものである。
もちろん、弁護士に頼むまでもない事案や
弁護士に頼むのはあまりに割に合わない事案というものも中にはあるだろうが
僕の経験上は、そのような事案の数は相対的に多くなく
「もっと早く弁護士に相談してくれていたらよかったのに」
と思うし、そのようにご相談者にお話しする事案の方が多いかと思う。
争いの目は、出来る限り早い段階で摘むのが一番である。
正式に依頼するかはともかくとして、とりあえずご相談だけでも
可能な限り早い段階でされるのが、最大限に権利を護る方法だと、僕は思う。
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弁護士西村友彦(にしむらともひこ)
夷川通り法律事務所
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