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団塊の世代が狙われている

村田裕人

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テーマ:資産を守るために・・


今年の税制改正大綱に、政府税制調査会は相続税の増税を盛り込んでいます。。

 相続税という税金は、不動産や預貯金などの相続財産にそのままかかるのではなく、[5,000万円+1,000万円×法定相続人の数]を差し引いた上で税率を掛けて計算します。この差し引く額を「基礎控除」といいます。
 
相続財産の総額が基礎控除額より少なければ相続税はかかりません。

 改正大綱では、現行では上記のようになっている基礎控除について、

[3,000万円+600万円×法定相続人の数]としています。

税率についても最高税率を現行の50%から55%に引き上げることが予定されています。

 例えばある相続人が配偶者と子2人だった場合、現行では8,000万円までの基礎控除が改正後では4,800万円となり、基礎控除が40%の縮小です。
 こうなると都市近郊にマイホームを持ち、それに少しの預金を持っていれば、相続税非課税から課税対象者に変わってしまう可能性が高くなっています。

 もう1つ、影響が大きそうな改正点が「死亡保険金」。現行の法定相続人1人あたり500万円の非課税枠は維持するようですが、「被相続人と生計を一にしていた者」などの適用条件が加わりました。つまり、独立して働いている子供については非課税枠が無くなるということです。

 一方で生前贈与の優遇措置が受けられる対象者の範囲を拡大することも盛り込まれました。若い世代への資産移転を促し消費意欲を刺激しようという狙いがあるようです。

 改正の目的は世代間で広まっている格差の是正、資産再配分機能を回復させるための資産家層に対する課税の強化とは言ってますが、実際にはどうなのでしょう?

 最高税率の改定は富裕度合いが高いほど税額が増え、増税の影響を受けますが、基礎控除額の縮小で影響を受けるのは、あくまでも国内の大多数を占める中間層です。
この改正、団塊の世代の資産を狙った課税ベースの拡大に見えてきますね。

 資産を守る、円満な相続を目指すためにも、事前の準備や対策がますます重要になってくると思います。

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