投資マンションのローン破綻
投資用マンション特に一区分(一室)の任意売却成功率は一般的な不動産に比べて低い傾向にでます。
当社での成功率は約63%。
一般的には50%を下回っています。
通常、80%以上は成功する任意売却ですが、投資用マンションになるとなぜこんなに成功率が低くなってしまうのでしょうか・・・?
それは債権者の認める査定価格が高すぎる傾向にあるからです。
通常、不動産の査定価格の算出方法は、実際に取引されている近隣の不動産相場を基準に、床面積、築年数、そして流通性などを考慮して決めていきます。
しかし、投資用不動産はその不動産から生まれる収益性から価格を決定されます。
例えば、毎月5万円(年間家賃60万円)の家賃が発生する価格査定は、利回り8%で設定すると60万円÷0.08=750万円という査定金額になります。
利回りが大きな係数となって価格が決まる訳ですが、一般的に流通性がよく築年数の新しいワンルームマンションの場合はだいたい5%程(査定額1200万円)、そして築年数の古い流通性の厳しいワンルームマンションになると12%(査定額500万円)以上になってきます。利回りによって同じ不動産でも700万円もの差が生まれます。
私たちが投資マンションの査定をする際は、近隣のマンションがいくら位の利回りで取引されているかを調べ、その利回りに応じて査定価格を決定します。
しかし、任意売却における債権者の投資マンション査定は、築年数や立地条件に関係なく一律7%程度で計算されることが多いのです。
流通性が良く、採算の見合うマンションであれば、平均的な7%という数字は決して的外れな価格にはならないでしょう。
しかしどうでしょうか。
任意売却をしなければならなくなった物件が果たして採算の取れる物件なのでしょうか。
採算がとれないから任意売却になる訳で、利回り7%の採用は的外れの査定額となってしまうのです。
また、投資用不動産を購入しようとする方は主に富裕層の投資家さんです。
居住用不動産を探される方の数に比べ、その絶対数は非常に少ない市場になります。
任意売却は通常不動産売却と違って限られた時間の中で販売活動を行わなければならい為、絶対数の少なさは、当然、成功率に影響してきます。
投資用マンションの任意売却の成功率が低いというのは、
①債権者の査定する価格が高すぎる
②販売期間が短い
といったことが要因になっているのです。
では、その成功率を上げるためには、どうしたらいいのか・・・。
販売価格を下げることができれば良いのですが、これは債権者次第ということなので、こちらができることではありません。
そうなると、いかに販売期間を長く設けることができるかということになります。
競売開始決定を受けてしまった場合、主導権は裁判所に移るため販売期間をそれよりも長く設けることはできません。
ですので、競売開始決定を受ける前に債権者に任意売却の申し出を行い、少しでも長く販売期間をとることが成功率を上げるポイントになってくるのです。
任意売却は早め早めの活動が成功率に影響をもたらせると言いますが、特に投資用マンションの任意売却はそう言えるのです。
以上、『投資マンションの任意売却成功率は低い!その為にできることは?』のお話しでした。