”訴訟ゼロ”経営を維持する秘訣
1 不動産(持家)を残した債務整理
住宅ローンを組んで家を建てたものの、計画通りの収入が入らなくなり、債務整理を考えている方は少なくありません。
不動産(持家)を残して債務整理することはできないのでしょうか。
債務整理には、自己破産、任意整理、個人再生という大きく分けて3通りの手続きがあります。
それぞれについて不動産(持家)を残す方法がないか、見ていきましょう。
2 自己破産で不動産(持家)を残す
住宅ローンで買った不動産(持家)は、銀行などの債権者が担保にとっています。
ですから、自己破産をしようとすると、銀行などがその担保権を実行(競売)します。
また、オーバーローンでない不動産の場合、破産管財人が銀行などの債権者と協議して、任意売却することがあります。
そのため、一般的に、自己破産では不動産(持家)を残すことはできないと言えます。
ただ、親族や信頼できる知人に破産管財人から買い取ってもらって、あるいは競売で落としてもらって、引き続き住まわせてもらうという方法があります。
3 任意整理で不動産(持家)を残す
任意整理は、債権者と交渉して支払い条件を返済可能なものにしてもらう手続きです。
裁判所を通さず、債権者との合意で行う債務整理です。
ですから、住宅ローンを残して、他の借金だけを整理することもできないことではありません。
住宅ローンの残債務額が不動産(持家)の価値を上回っているような場合なら、他の債権者は不動産(持家)をあてにできませんので、合意がしやすいと言えます。
ただ、あくまでも債権者との合意でする手続きですから、必ず思い通りの結果を得られるというわけではありません。
4 個人再生で不動産(持家)を残す
個人再生は、裁判所の認可により、借金を大幅(原則1/5)に減額してもらう手続きです。
この個人再生には、「住宅ローン特則」というのがあります。
これは,住宅ローンだけはこれまでと同様に返済を続け、他の借金を個人再生で減額してもらうという制度です。
この「住宅ローン特則」を利用できれば、不動産(持家)を残して、債務を整理することが可能になります。
従来と同様に返済を続けますので、担保権が実行、つまり不動産(持家)が競売にかけられることがなくなります。
そして住宅ローン以外の借金については,個人再生で大幅に減額されます。
ただし、厳格な要件が定められていますので、その要件をみたすものである必要があります。