”訴訟ゼロ”経営を維持する秘訣
1 自己破産をした方がよいケース
破産をした方がよいかどうかは、無理なく返済を続けられるかどうかがまずポイントになります。
債務額が大きくても収入が多ければ返済が可能なこともあるでしょうし、債務額が少なくても収入も少なければ返済は無理という場合があるでしょう。
また、収入の安定性というのも判断の要素になります。
このまま返済を続ければ3年で完済すると考えていても、体調不良で仕事が続けられなくなれば、返済が滞ってしまいます。
さらに、どうしても残したい財産があるかという点も、判断の要素となります。
任意整理を選択してもブラックリストに載るのは同じです。
どうしても残したい財産がとくにないのであれば、任意整理でギリギリまで無理をして返済を続けるよりも、自己破産を選択したほうが無理なく債務を整理することができます。
途中までがんばって返済したものの、結局自己破産するしかなくなったというケースもあります。
がんばって返済したのがむだになってしまい、本当にもったいないケースと言えます。
こうやって見てくると、3年前に一度ギャンブルで自己破産をしているなど、免責が許可されない事情がある場合を除けば、多くの場合で自己破産を選択するのが賢明ということになってきます。
2 自己破産に関する思い込み
ところが、自己破産に対して強い拒否反応を起こされる方がいらっしゃいます。
破産すると失格者の烙印を押されるというようなイメージを持たれるのかもしれません。
しかし、破産するというのは、経済的な再スタートを切ることであり、失格者となることとは正反対です。
実際のところ、破産をしたという理由で解雇されたり賃貸住宅を追い出されたりすることはありません。
ローンが残っていなければ、生活に必要な家財道具を持っていかれることもほぼありません。
5年から10年はクレジットカードが使えなくなったりローンが組めなくなったりしますが、そのことが理由で破産したのですから、再び破産しないためにはその方がいいと考えることもできます。
自己破産は再スタートを切るための制度ですので、利用できるのであれば、ことばのイメージにとらわれずに利用するべきだと思います。