古い大きな掛け時計をお預かりしました。

朝、お電話があり、「古い大きな掛け時計を引き取って欲しい」とのご相談がありました。
ご自宅に訪問し、詳しくお話をお伺いすると、ご自宅を売却し、高知市内のマンションに転居されるとの事。
残念ながら、転居されるマンションには、時計を掛けるスペースが無いとの事で引取りを希望されました。
1971年から50年以上、このお家の家族の成長を眺めながら、正確に時を告げ続けた古い大きな掛け時計。
搬出の為、掛け時計を外そうとしましたが、中々外す頃が出来ず、この場所から連れていかれるのを拒んでいるかのように感じました。
依頼主にも手伝ってもらい、やっと、外すことが出来ました。
搬出の際、依頼主は、掛け時計に向かい「長い間、おせわになりましたね」と手を合わせていました。
その時、自分は、ハッとさせられるとともに、大きな責任を感じていました。
自分の仕事は買取業ではありますが、お預かりしたものの価値を認め、その価値を理解してくれる方に、譲り渡していくことがいかに大切かを・・。
捨てればゴミ、使えば宝。
この正確に時を刻む重厚な柱時計が活躍できる場所を必ず探したいと思います。