平成29年度太陽光発電売電価格
余剰電力買取制度
ライフラインサービスの山崎貴修です。
太陽光発電の売買制度は、一般の住宅用と産業用でわかれます。
住宅用は10KW未満、産業用は10KW以上とされていますが、産業用(10kW以上)の場合、発電した電気をすべて売電できる「全量買取制度」ですが、住宅用(10kW未満)の場合は、家庭で使い切れず余った分(余剰電力)だけを売電する「余剰電力買取制度」です。
これには、売電収入を増やそうと思えば、各家庭で節電に取り組み余剰電力を多くしようとする……つまり省エネ生活を心がけるようになるという狙いがあるようです。
売電できる期間は設置してから10年間。平成27年の売電価格は、33円/kWhです。
新たに出てきた「出力制御対応機器」
平成27年度から、住宅用の売電価格にこれまでなかった区分ができました。「出力制御対応機器設置義務の有無」です。
「出力制御対応機器」とは、需要を大きく上回る発電量が出てしまったとき、太陽光発電システムが発電しないよう電力会社側が制御するための機器です。この機器を設置した場合の売電価格は、35円/kWh。設置なしに比べて売電価格が2円高くなります。
ただ、東京電力・中部電力・関西電力の管内は、電力需要が大きいため、現在は出力制御の対象外になっています。そのため、出力制御対応機器の設置義務はありません。
売電価格と売電制度の原資
さて、売電制度は固定価格制です。2010年の売電価格48円/kWhでした。それが、年ごとに42円、38円、37円と下がって、現在は33円。
今後も下がるかもしれませんが、今年度導入したお客さまの売電価格は10年間固定です。つまり、来年度もし売買価格が31円になったとしても、今年度導入したお客さまにとって、売電価格は10年間ずっと33円/kWhのままということですね。
ところで、通常電気代は1kWhあたり25円くらいです。それが、太陽光発電システムで発電した電気は33円で売ることができます。
どうしてそんなことができるかと言えば、この買取費用は電力会社が全て負担しているのではなく、そのほとんどを国民全員で負担をしているからです。
電力会社から届く電気代の明細をご覧ください。「再エネ発電賦課金等」という項目があります。実は、これが売電制度の原資となっています。再生エネルギーの活用は、国民全体の問題ということでしょう。