沈下事故が全国平均の約3倍!?
地震が起きる度に地盤の重要性が再認識されますが・・・
しばらくコラムをさぼっている間に
6月18日には大阪府北部地震が発生し、
9月6日には北海道胆振東部地震が発生いたしました。
被害に合われた方々、また現在も避難所生活などを
送られている方々に心よりのお見舞いを申し上げます。
いよいよ地震列島の様相を呈してきたと感じている
南海トラフに隣接する高知県民としては
次はいよいよ・・・との恐怖心を胸に秘めながら
日々の生活を送っております。
また今年は特に異常気象なのでしょう。
台風も今まで考えられないルートで通過したり、
知名度を上げた線状降水帯が頻繁に起こり
局所的に集中豪雨を降らせたりで、
高知でも庭の一部や建物の床下の地盤沈下や
空洞化のご相談が激増しております。
この件については、また別の機会に
コラムにしたいと思います。
さて、大震災が起きる度に地盤の重要性が
ニュースでもクロ-ズアップされますが、
その熱も日を追うごとに覚めていくのが
人間の性なのでしょう。
傾斜地の宅地や液状化の可能性のある宅地に
お住まいの方は今どのようなお気持ちで
被災映像をご覧になっているのでしょうか?
見えない地盤を【よく視る】ために
すこし前の杭データ偽装事件以降、杭や地盤改良の
施工管理について特に厳しくなってきております。
住宅などの小規模建築物等の地盤調査については、
最低でも4ポイント以上の調査で
地盤の強度のバランスを考慮しますが、
マンションなどの高層や大型の建築物の場合には、
地盤のバランスよりも杭の深度が重要視される事から、
(当然他の試験も併用しますが・・・)
標準貫入試験(一般的にはボーリングと言われます。)
は通常1~2ポイント程度しか行われません。
理由はやはりコストの問題です。
1ポイント追加するたびに数十万円程度の
追加出費となってしまいます。
深く硬い地盤でも迅速な調査が可能に!
偽装事件以降、ニーズが増えてきた調査方法に、
ラムサウンディング試験というものがあります。
その特徴としては、スウェーデン式サウンディング試験と
標準貫入試験とのいいとこどりの調査方法といえます。
N値(地盤の硬さ)30以上、深度20m以上の貫入調査も可能です。
20cm毎の打撃回数からロッドの摩擦を計測して減算し、
算出されたNd値はN値とほぼ同じ値として扱えます。
N値-Nd値相関図
今年このラムサウンディング試験方法が
動的コーン貫入試験方法としてJIS A 1230に制定された事から、
それに準拠した新型調査機CRS-12-2へ入替をしました。
左が新型機、右が旧型機です。
調査イメージ
地盤工学会基準(JGS 1437-2014)にもなっている事から
今後も採用事例は増えていくと考えられます。
先日は高知市内で各杭毎の補足調査を行いました。
3tローダーダンプと自走式調査機で機動力も十分です。
地盤の硬さにもよりますが、60m/日程度の調査が可能です。