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穂盛正明

高知の地盤を知り尽くした地盤調査・補強工事のプロ

穂盛正明(ほもりまさあき) / 地盤品質判定士

有限会社グランドワークス

コラム

これも時代の流れか・・・

2019年3月4日 公開 / 2021年1月7日更新

テーマ:基礎

コラムカテゴリ:住宅・建物

コラムキーワード: 耐震補強

これくらいなら大丈夫!?

最近コラムが停滞しており反省しきりです。
申し訳ありません。m(__)m

さて、東西に大変長く、太平洋の荒波以外にも
山間部も深く険しいのが高知県の特徴でもあります。
高知県の総面積における森林率はなんと84%!
高知では「ハロー」の代わりに
「ハチヨーン」と挨拶するという
【ハチヨンプロジェクト】なるものも(笑)
高知県は人口約70万人のうち、
約半分近くが県都である高知市に
集中しているのも特徴です。

最近は大型の宅地開発はひと段落していますが、
1970年代までに造成された宅地の多くは、
車は一家に1台保有の前提で構成されていました。
それが時代の流れと共にマイカー時代に突入!
一家に2台は当たり前!多い家では4台もあったりします。
近年では南海トラフ地震対策で耐震補強も進んでいます。
また、人口減少により空き家も増えてきた事から
リノベーションして再販する家も増えています。
その一環で庭を壊して車庫を広げる事例が
多くなってきたと感じています。
[庭石お譲りします。靴脱ぎ石から歩み石まで]

私が幼いころから住む団地でも近年多く見られます。

こんなのや

こんなの

こんな感じで基礎のすぐ横まで掘削してしまっています。
※上記案件の内部構造まではわかりません。

その【大丈夫!】の根拠はどこから来るのか?

土木工学や土質力学にさして詳しくない
【なんちゃって土木屋さん?】などに依頼すると
「基礎の真下を掘らなければ大丈夫!」
などと根拠のない自信により工事する事があります。
住宅屋さんでも、擁壁上に家を設計する際、
「擁壁の底版上に建物配置がかかってないからOK!」
という事を言われた事も1回や2回ではありません。

実際に掘削すると、その時は掘削面も自立したりするので
「コンクリで押さえたら大丈夫!」
と考えるのだと思いますが、実際にはそうではありません。
まずは、地中で建物の荷重がどう伝達されているのかを
皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

建物の荷重と土圧を考えてみる!

まず、建物の屋根や壁、床や家財の荷重は
最終的に基礎から地盤へと伝達されます。
地盤への荷重は土の中で広く深くまで
少しずつ荷重を減らしながら伝達されていきます。
この荷重伝達範囲を圧力球根といいます。

また、その荷重が分散していく角度の事を
荷重分散角といい、一般的な土質では
約30度の角度で分散されるとされています。
この他にも水中における水圧と同じように
土中にも【土圧】という土の圧力があります。

一般的な土では、いきなり崩壊する事は少なく、
少しづつ変形した結果、最終的に崩壊します。
基礎横を掘削した場合でも、短時間であれば
自立は可能な場合もあり、地下水の流出や強風、
または地震など外部的要因でもなければ、
一気に崩壊は起こらないと考えられます。
また、家の中央付近では荷重が大きいですが
家の角付近ではその荷重は少ないので
どこを掘るかでも左右されます。

いずれにせよ、その荷重をしっかりと
受け止められるような構造にしなければ

何らかの要因により変形していき、
最終的には建物の【不同沈下】
の原因になってしまいます。

見えないからこそしっかりと!

平常時でも、地震や台風などの非常時でも
不同沈下に繋がらないようにするためには
建物の荷重や土圧を受けるだけでなく
水平力までも受ける事が可能な構造に
しておく事が重要です。


大事なものほど見えにくい。

この度、弊社ホームページを更新しました。
https://www.gworks.co.jp/
今後ともよろしくお願いします。

[庭石お譲りします。靴脱ぎ石から歩み石まで]

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