石のサンプルで推し量れること、量れないこと
こんばんは。川崎市の吉澤石材店です。お墓づくりに励んでコラムをかまけていました。久しぶりの更新です。
さて、お墓に使われる石は多種多様。産地も石目も色調も本当に色々な石がお墓の材料として、建築材として使われています。
そうした石たちは例えば同じ石種であっても、採掘された時期によってその風合いが微妙に異なるということがあります。いや、全てにおいてまったく同じものは存在しえないと言った方が良いかもしれません。
これは天然素材ゆえの宿命で、ある程度の石目の違いや色調の濃淡は避けようがない部分だと思います。また、同じ銘柄の石でも取り口(採掘している場所)が違えばそれらが違うのも当たり前のことだと思います。
そんな中で一基の石塔や一組の外柵の雰囲気を大きく変えないよう、石を揃えてお墓として使っています。
もっとも『変わる』『異なる』と言っても、ある石が別の石になってしまうというわけではありません。ある一定の範囲の中で振れ幅があるという意味で、見る人によっては全くそれがわからないということもあるでしょう。(逆にまったく別の石に見えてしまうくらい変わってしまう石ならば、継続して使っていくのは難しい素材だと思います。)
石は画一的なものではなく、むしろ個性的なもの
何が言いたいのかと言えば、石は自然の産物でそれぞれに特徴があるということです。
例えば今、良しとされる石があるとします。この石が一年先も良しとされるのか、あるいは数カ月で変わるのか、逆に二年先も良いのかということはわかりません。もちろん採掘元の人にはある程度想像はできるでしょうが、それでも確定ではないでしょう。
つまりは山(採石場)も生き物だということだと私は考えます。
また、石目や色によって等級別けされ管理される石もあれば、石目ではなく歩留りによってランク付けされる石もあると仄聞しています。また明確に等級分けをされていない石もあるわけで、ある石種の見方が杓子定規に他の石に適応されるものではないと思います。
そうした石たちを扱う石材店として、大切なことは一つの銘柄の石でも、今一番良いものを仕入れられるだけの情報(仕入れ先を含めた)をもつこと。そしてその情報を得る努力をすることだと考えます。
あなたがお墓を建てる時、依頼しようと考える石材店が石についてどのくらいの知識があるのか。そのあたりを色々と尋ねながら探ってみるのも必要かもしれませんね。
その知識はインターネット検索で得られる程度のものか、自分での加工や施工の中から得られる信頼性の高いものなのか。また採掘元や信頼できる仕入先と培った関係の中から得られるような深いものなのか。このあたりはけっこう大事なところかもしれません。
きちんとした仕入先を持つ石材店なら、きっと納得いく回答がもたらされることと思います。
また、よろしくお願いします。