コラム
ウルトラ木魚に込めた思い
2016年5月5日 公開 / 2019年3月17日更新
そうだったのか!ウルトラ木魚。これはおふざけじゃない。
休日を利用して芝の増上寺で開催されている『寺社フェス 向源』に足を運んでみた。
そこでたまたま催されていた人形供養のトークショーにふらりと入った。入場無料ということにも後押しされたかもしれない。だが内容が人形供養。しかもウルトラ木魚?
二日前、朝のニュースで見ていたが詳しくは知らない。なんでもありの時代はここまで来たかと。つまらなければ途中で退席すればいい、そんな思いで席に着く。
しかし鼎談の内容を聞くうち、ついつい最後のほうまで引き込まれてしまった。僧侶のわかりやすい説明も良かった。しかしウルトラ木魚を作製した三河仏壇の方の話も良い。事前に失礼な想像をしていた自分の不明を素直にお詫びしたい。
端折って書くが、ウルトラマンの第35回の中で怪獣供養のシーンがあったらしい。隊員たちが戒名を刻んだ怪獣の位牌まで登場していたとか。
言われてみれば、確かに怪獣はたまたまそこに現れただけ。本当は悪意があったわけではない。お盆くらいは怪獣を供養してやりたいと言う実相寺監督の気持ちが込められていたらしい。
怪獣供養(!)というものがあるそうだが、その時に勝てなかったウルトラマンの顔を木魚として叩く。怨霊信仰とは違うだろうが、怪獣の無念もそこで少しでも晴らしてやる。まさに人形供養に通じる、実に日本人らしい発想じゃないかと感じた。ウルトラ木魚の真価、ここにあリというところだろうか。
全体の内容を含め、供養というものについて平易な言葉で語られ、その意味を改めて考えさせてくれる良い機会だったように思う。
しかしこうしてみるとウルトラマン、単に勧善懲悪主義のヒーローものじゃなかった。日本人らしさ、つまり供養の気持ちがが随所にエッセンスとして入っている国民的番組だったのかもしれない、と言うと少し言い過ぎになってしまうだろうか?
さて、あなたはどう考える?
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