【第2部】「利益」を「キャッシュ」に変える財務戦略 ~中小企業庁「経営深掘りマップ」の活用

江崎充豊

江崎充豊

テーマ:財務


 こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
「経営深掘りマップの活用」第2部、今回は資金繰りと現在の中小企業が置かれている課題などについてお話します。

はじめに

 第1部では、経営深掘りマップの概要と、資金繰りの現状について説明しました。
では、「自社の資金繰りのどこに問題があるのか」
資金繰りの判断指標の一つである「CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)」、そして「資金繰り表」について取り上げます。

資金繰りの指標:CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)

 「利益は出ているのにお金がない」という主な理由は、支払と入金の時間の「ギャップ」にあります。
これを数値化したものがCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)です。
CCCは、仕入から販売、代金回収までにかかる日数を示します。

CCC=売上債権回転日数+ 棚卸資産回転日数- 仕入債務回転日数

 この日数が長ければ長いほど企業は運転資金を多く必要とします。

資金繰り表の重要性と現状

 資金繰り表は、将来の現金の出入りを予測する道標となります。
しかし、多くの中小企業では決算書(過去の記録)は作成していても、資金繰り表(未来の予測)を運用できているケースは少ないのが実情です。
 資金繰り表を作成しないことによるデメリットは以下の通りです。

1.予測精度の低下
仕入価格や人件費の変動が激しく、従来の予測が通用しなくなっている
2.管理の属人化
経営者や特定の担当者しか分からず、組織として資金管理が行われていない
3.「残高管理」への依存
預金残高で判断するため、数ヶ月後の大きな支払いに対応できない

資金管理の不備が招くリスク

 資金繰り表がない企業への融資判断は今後の資金が予測しづらく、「真に必要な資金はどれくらいか」の判断が難しくなります。
一方、CCCを意識し、資金繰りの予測を把握している企業は所要資金について合理的な説明がしやすく、金融機関からの信頼が高まります。
 2026年度予算案でも継続されている「中小企業資金繰り支援事業」や保証料補助においても、この「数字の裏付け」は必要です。

まとめ

 第2部では、資金繰りを悪化させる要因と、資金繰りを把握していない事による課題やリスクについて整理しました。
CCCが1日短縮されるだけで、企業の手元流動性は改善します。
  第3部では、これらの課題を解決し、実際に資金繰りを安定させるための具体的なアクションプランを整理します。

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江崎充豊
専門家

江崎充豊(社会保険労務士)

マネジスタ湘南社労士事務所

現役銀行員としての財務分析力、社労士としての労務知識を融合させ企業を支援。資金調達や事業計画、人事労務体制整備からデジタルツール導入まで、経営者が本業に集中できる環境作りをアシストする。

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