なぜ中小企業支援は「活かされない」のか 【第3部】支援を成果につなげる具体策

江崎充豊

江崎充豊

テーマ:経営


 こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
第1部では「情報が分かりにくい」という入口の課題を、第2部では「伴走支援を受けても成果が出ない理由」を整理してきました。
 最終回となる第3部では、
中小企業が支援を活かすになるために何を意識すべきか
について、銀行員と社会保険労務士、両方の視点から具体的に考えていきます。

はじめに

 補助金や助成金、専門家による伴走支援は、正しく使えば経営を前に進める力になります。
しかし、それを「成果」に変えられるかどうかは、支援の内容以上に企業側の意識と準備にかかっています。

まず必要なのは「ゴールの言語化と共有」

 第2部で触れたとおり、伴走支援が機能しにくくなる要因の一つが、
最終的なゴールが曖昧なまま支援を受ける
ことです。

 たとえば、
・資金繰りを安定させたいのか
・人材を定着させたいのか
・売上拡大に向けた投資を進めたいのか

これらはすべて重要ですが、同時にすべてを進めることは困難です。

 銀行員の立場から見ると、「どのタイミングで、どの程度の投資や資金が必要か」が見えなければ、適切な提案はできません。
 一方、社労士の立場から見ると、「人に関する課題をいつ、どのように改善したいのか」が明確でなければ、制度設計も上手くできません。

 まずは、
「経営として何を優先するのか」を言語化すること
これが第一歩です。

財務と労務を「別物」にしない

 実務の現場では、
・財務の相談は金融機関や会計士
・労務の相談は社労士

と切り分けられることが一般的です。

 しかし、経営の現実はそう単純ではありません。
・設備投資 → 資金繰り・借入・返済計画
・人材採用・定着 → 人件費・助成金・生産性[/太字]
これらは連動しています。
 財務と労務を一体で整理することで、初めて「実行可能な計画」になります。

「専門家に任せる」から「専門家を使いこなす」へ

 支援を成果につなげている企業に共通しているのは、
専門家を「経営のパートナー」として活用している点です。

具体的には、
・現状の数字(利益・資金繰り)を共有している
・課題を伝えている、伝わっている
・定期的に振り返り修正をすることで、相互に状況を共有している

 こうした姿勢があることで中長期的な観点で調達提案ができるし、人事労務制度の見直しが設計できます。

支援は「受けるもの」ではなく「一緒につくるもの」

 支援策や伴走支援は、使い方次第で大きな効果にも期待外れにもなります。
第1部・第2部で見てきた数字は、支援そのものよりも、支援の使い方に課題があることを示しています。

 だからこそ重要なのは、
・ゴールを明確にする
・財務と労務を分けずに考える
・専門家と同じ目線で経営を整理する

という姿勢です。

まとめ

 3部にわたり、「なぜ中小企業支援は活かされないのか」というテーマを、調査データと実務視点から整理してきました。
 支援が活かされない理由は、制度や専門家が不足しているからではありません。
財務と労務を一体で捉え、経営の目標に結びつける視点が不足していることにあります。

 財務の視点と労務の視点。この両方をつなぐことで、支援は「コスト」ではなく「投資」になります。

 マネジスタ湘南社労士事務所では財務、労務に関する相談を承ります。
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江崎充豊(社会保険労務士)

マネジスタ湘南社労士事務所

現役銀行員としての財務分析力、社労士としての労務知識を融合させ企業を支援。資金調達や事業計画、人事労務体制整備からデジタルツール導入まで、経営者が本業に集中できる環境作りをアシストする。

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