銀行の常識は世間の非常識? ~【第2部】銀行業務のトレンドと今後の役割~

こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
今回は「賃上げ時代の中小企業経営」コラム第2部、財務対応についてお話します。
はじめに
第1部では、賃上げに関する国の支援策と、その活用を整理しました。
賃上げは避けられない流れであり、中小企業にとっても賃上げを前提条件として考える必要があります。
一方で、賃上げ対応は労務管理だけで完結するものではありません。
・人件費や社会保険料の増加が利益に与える影響
・キャッシュフローや資金繰りへの影響
・将来の投資余力をどう確保するか
といった財務面からの検討が欠かせません。
第2部では、第1部の総括として賃上げを取り巻く環境を整理したうえで、賃上げ時代に企業が取るべき財務対応を解説します。
企業が取るべき財務対応
1.賃上げ影響を数値で把握する
賃上げ対応で重要なのは、影響を感覚ではなく数値で把握することです。
・賃上げによる年間人件費の増加額
・社会保険料負担の増加分
・利益、キャッシュフローへの影響
を事前に試算することで、賃上げの可否や必要な対策が明確になります。
2.賃上げと生産性向上投資を同時に考える
賃上げによる負担を吸収するためには、生産性向上が欠かせません。
・省力化設備の導入
・IT化・DXによる業務効率化
といった投資を、補助金などと組み合わせて検討することで、賃上げと経営改善を同時に進めることが可能です。
財務面では、投資額、補助金入金までの資金繰り、キャッシュフローへの影響を踏まえた計画が重要となります。
3.税制・各種制度による資金負担の軽減
賃上げを実施した企業向けには、
・賃上げ促進税制
・賃上げ企業向けの助成金・補助金、低利融資制度
といった支援策も用意されています。
これらを活用することで、投資負担だけでなく税・金利負担を抑え、賃上げに伴う財務リスクを軽減できます。
4.価格転嫁と財務管理を連動させる
賃上げを持続的な取り組みにするためには、価格転嫁の検討が不可欠です。
・人件費が原価に占める割合
・価格転嫁による売上と利益率への影響
・価格改定後の収益構造
を整理し、財務データを根拠にした説明ができる状態を整えることが重要です。
まとめ
第2部では、賃上げ局面で中小企業が取るべき財務対応について整理しました。
賃上げを単なる負担で終わらせないためには、数字に基づく冷静な判断が欠かせません。
次の第3部では、こうした検討を踏まえ、賃上げを無理なく続けるための実務対応と体制づくりについて解説します。



