【もしもシリーズ第2回】リーダーシップとハラスメントの境界線 ~剛圧 強CEOの場合~

こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
ガバナンス強化第3回、ガバナンス強化に向けたロードマップをお話します。
はじめに
第1部では属人化リスクを事例で確認し、第2部ではどんな対策が必要かを整理しました。
しかし、「わかっているけれど、どこから手をつければいいのか」というのが多くの企業が思っているところだと思います。
そこで第3部では、財務・人事・労務の三位一体でガバナンスを強化するための5つの実践ステップをロードマップ形式で解説します。
これにより具体的な進め方がイメージしやすくなり、実務へ落とし込みやすくなります。
【ステップ1】現状把握(As-Is)と課題の洗い出し
チェック項目
| 領域 | 代表的なチェック項目 |
|---|---|
| 財務 | 月次試算表の精度、資金繰り実績表とキャッシュフロー計画の有無 |
| 人事 | 賃金体系の確認、評価制度の運用状況、採用プロセス |
| 労務 | 勤務形態、残業管理、ハラスメント体制、36協定、業務プロセス |
【ステップ2】あるべき姿(To-Be)の設定
数年後の理想像を定義し、全社で共有
- キャッシュフロー管理が月次で行われている
- 採用競争力のある賃金精度が整備されている
- 働き方制度に柔軟性がある
- 組織図と職務分掌、業務の運用が明確
【ステップ3】ギャップの整理と優先順位付け
ギャップ整理例
| 領域 | 現状(As-Is) | あるべき姿(To-Be) | ギャップ |
|---|---|---|---|
| 財務 | CFが担当者の頭の中 | 月次CFの共有 | 計画と仕組みの不足 |
| 人事 | 年功型評価 | 職務基準の評価制度 | 従前の評価体系 |
| 労務 | 働き方が単一的、業務が属人化 | 多様な勤務制度と業務マニュアルを整備 | 規程整備不足 |
【ステップ4】実行計画(ロードマップ)の策定
実施時期と責任担当者を決めて、スケジュールを決めて策定します。
【ロードマップ例】
- CF表・組織図作成
- 賃金制度・評価制度案の作成
- 勤務規程や業務マニュアルの改訂
- 運用・PDCA開始
【ステップ5】運用・改善(PDCA)
制度は作って終わりではありません。むしろこれからが本番です。
毎月の会議や評価面談などで改善を継続することで、ガバナンスは定着します。
まとめ
3部を通じて、属人的経営から組織経営へ移行するために必要な内容と対策を整理しました。
財務(キャッシュフロー管理)、人事(採用力・評価制度)、労務(働き方の多様化と業務の統一化)は互いに密接に関連しており、どれか一つだけ整えても企業は強くなりません。
中小企業が持続的に成長するためには、「財務 × 人事 × 労務」の三位一体のガバナンス強化が不可欠です。
仕組みを整え、運用し、改善を続けることで組織は安定し、人材も集まり、企業の未来を確かなものにできます。
マネジスタ湘南社労士事務所では財務、労務に関する相談を承ります。
お困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。



