もしも豊臣秀吉があなたの会社のCFOだったら~第2部「投資と失敗の教訓」~

江崎充豊

江崎充豊

テーマ:財務


 こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
「もしも」シリーズ、前回は資産にクローズアップしてお話をしました。
今回は投資にクローズアップしてお話したいと思います。

はじめに:投資は“見せる力”と“持続可能性”のバランス

 天下人となった豊臣秀吉は、聚楽第や大坂城といった巨大な城郭を築きました。
これらは軍事拠点であると同時に権威の象徴であり、経済的な波及効果をもたらす「投資」でもありました。
 現代企業に置き換えると、ブランド強化や長期的な資本支出に相当します。
CFOの役割は、こうした「見せる投資」と「持続可能な投資」のバランスを見極めることです。

  • ブランド投資:城郭建設 → 企業の存在感を高める広告・施設投資
  • 経済波及効果:城下町の繁栄 → 地域経済や従業員満足度の向上
  • 持続可能性:維持費や人件費 → 長期的な財務負担の管理

 華やかな投資は企業の成長を後押ししますが、維持可能性を見誤れば財務を圧迫します。秀吉の城郭建設は「見せる力」と「持続可能性」の両立を考える好例だと思います。

朝鮮出兵=リスク過大な投資案件

 一方で、豊臣秀吉の海外遠征(朝鮮出兵)は莫大なコストを生み、成果は乏しく財政を大きく圧迫しました。これは現代企業における「ROIの低いプロジェクト」や「過大なリスク投資」にあたります。

  • 夢や野心で動いた投資:市場調査やリスク分析を欠いた意思決定
  • 資金流出の拡大:人員・資材の投入が収益に結びつかない
  • 組織への負担:従業員の疲弊、他事業への影響

 CFOにとっては「投資の選別」が最大の責務です。夢や野心は経営の原動力になりますが、数字で裏付けられない投資は組織を危うくします。

現代の企業に置き換えた場合に気をつけるべきこと

1.ブランド投資は維持可能性を伴わせる
 広告や設備投資は企業の存在感を高めるが、維持費や人件費を冷静に見積もる
2.投資案件はROIで選別する
 夢や勢いだけでなく、収益性やリスク分析を基に判断する
3.従業員への影響を考慮する
 過大な投資は人材の疲弊を招き、組織全体の健全性を損なう
4.失敗から学ぶ姿勢を持つ
 投資が期待通りの成果を上げなくても、教訓を次の戦略に活かす

第1部、第2部のまとめ

 第1部では「資産の見える化とリスク管理」を、そして第2部では「投資と失敗の教訓」を取り上げました。
 秀吉の施策を現代企業に置き換えると、CFOの役割は「守り(内部統制・資産把握)」と「攻め(投資戦略)」の両輪であるといえます。
 現代の企業が気をつけるべきことは、数字に基づいた冷静な判断と従業員や組織全体への影響を見据えた投資選択です。華やかな投資に魅了される一方で、持続可能性やリスクを忘れないことが、企業の安定と成長を支える鍵となります。

ーもしも豊臣秀吉があなたの会社のCFOだったらー

 彼はまず数字を整え、リスクを抑え、そして投資の選別を冷静に行ったでしょう。歴史の成功と失敗から学ぶことは、現代の企業経営においても大きなヒントになります。

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江崎充豊
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江崎充豊(社会保険労務士)

マネジスタ湘南社労士事務所

現役銀行員としての財務分析力、社労士としての労務知識を融合させ企業を支援。資金調達や事業計画、人事労務体制整備からデジタルツール導入まで、経営者が本業に集中できる環境作りをアシストする。

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