【もしもシリーズ第4回】やさしすぎる人事は組織を救えるか? ~平 静葉CHROの場合~

江崎充豊

江崎充豊

テーマ:経営

 こんにちは、マネジスタ社労士事務所です。
今回はもしもシリーズ第4回。あるCHROから共感型人事の可能性と限界を、社労士の視点から考えます。

はじめに

「みんなが幸せになれる職場にしたいんです」
そう語るのは、平 静葉CHRO(たいら しずは、最高人事責任者)、やさしさと気配りの人事責任者。
彼女は、誰にでも平等に接し、社員の悩みに耳を傾け、感情に寄り添う。
だがその「やさしさ」は、時に意思決定を遅らせ、組織の軸を曖昧にすることもあります。

平 静葉CHROの強みと課題

1.強み

  • 傾聴力が高く、社員の声を拾える
  • 感情に寄り添った制度設計ができる
  • ハラスメントやメンタル不調への感度が高い

2.課題

  • 意思決定が遅れがち(全員の納得を優先)
  • 厳しい判断が苦手(降格・配置転換など)
  • 「やさしさ」が「甘さ」に見えることも

共感型リーダーに対する対応策

1.意思決定支援の仕組み化

  • 「共感」と「客観的判断」を分ける意思決定フレーム
  • CHROの隣に「冷静な補佐役」を配置(例:出来杉田CTOとの連携)

2.評価制度に「寄り添う姿勢」を織り込む

  • 傾聴・共感・対話力を評価項目に追加
  • メンタルケアや関係調整の実績を数値化

3.組織風土の整備

  • 管理職向け共感型マネジメント研修
  • やさしいだけじゃないリーダーの再教育

まとめ:やさしさは判断力とセットでなければ組織を動かせない

 静葉は誰にでもやさしい。
だが、組織を動かすには「やさしさ」だけでは足りません。
時には厳しい判断を下し、組織の軸を守る覚悟も必要です。
企業としては、共感型リーダーのやさしさを活かしつつ、冷静で客観的に判断できる制度で補う事が必要となります。

 次回は「もし出来杉田 秀才がCTOだったら─冷静すぎる技術者は信頼を築けるか?」
冷静かつ論理型リーダーの社内の信頼構築について、社労士の視点で考察します

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江崎充豊
専門家

江崎充豊(社会保険労務士)

マネジスタ湘南社労士事務所

現役銀行員としての財務分析力、社労士としての労務知識を融合させ企業を支援。資金調達や事業計画、人事労務体制整備からデジタルツール導入まで、経営者が本業に集中できる環境作りをアシストする。

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