【もしもシリーズ第2回】リーダーシップとハラスメントの境界線 ~剛圧 強CEOの場合~

江崎充豊

江崎充豊

テーマ:経営

こんにちは、マネジスタ社労士事務所です。
今回は「もしも」シリーズ第2回。あるCOOからリーダーシップとハラスメントについて社労士の視点から考えます。

はじめに

 「俺のものは俺のもの、みんなのものも俺のもの」
そんな口癖を地で行く剛圧 強COO(ごうあつ つよし、最高執行責任者)。
彼は、現場主義で、仲間思いで、即断即決。
だがその「熱さ」と「所有意識」は時に「圧」となり、ハラスメントの境界線を越えることもあります。

剛圧 強COOの強みと課題

1.強み

  • 指示が明確でスピード感がある
  • 現場に寄り添い、泥臭く動く
  • 仲間を守る意識が強く、責任感がある

2.課題

  • 「俺がやる」「俺が決める」が口癖 で部下の裁量が奪われる
  • 声が大きく、威圧的に受け取られる
  • 成果や情報を「自分のもの」として囲い込む傾向
  • 部下が萎縮し、意見が言えない空気が生まれる

熱血型リーダーに対する対応策

1. ハラスメント研修の再設計

  • 「圧の使い方」「所有意識の手放し方」をテーマにした管理職研修
  • 「成果はチームのもの」という価値観を制度に落とし込む

2.評価制度はチームと共創は主体

  • 指示力だけでなく「巻き込み力」や「共有力」も評価対象に
  • 「俺のもの」ではなく「チームの成果」を評価する制度設計

3. 組織風土の整備

  • 意見を言いやすい「逆フィードバック制度」の導入
  • 情報や成果を囲い込まない文化づくり(例:ナレッジ共有制度)

まとめ:剛圧 強は「暴君」ではなく「熱血型支援者」になれるか

 「俺のものは俺のもの、みんなのものも俺のもの」という姿勢は、組織の自律性を奪います。だが、剛圧 強は、仲間思いで、現場主義の頼れる存在でもあります。
「熱さ」を「支援力」に、「俺のもの」を「みんなの成果」に変える制度設計。
それが、剛圧 強COOの強みを組織の力に変える鍵となります。

次回のコラムは「もし野田 伸太郎がCFOだったら~赤点経営からの逆転劇~」
頼りないけど誠実なリーダーと体制整備について考察します。

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江崎充豊
専門家

江崎充豊(社会保険労務士)

マネジスタ湘南社労士事務所

現役銀行員としての財務分析力、社労士としての労務知識を融合させ企業を支援。資金調達や事業計画、人事労務体制整備からデジタルツール導入まで、経営者が本業に集中できる環境作りをアシストする。

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