【もしもシリーズ第1回】支援型リーダーは組織を救えるか?~小羅 衛門CEOの場合~

江崎充豊

江崎充豊

テーマ:経営

 こんにちは、マネジスタ社労士事務所です。
時々投稿する「もしも〇〇が社長だったら」シリーズ。
今回は、アニメのキャラクターのような人が社長だったらどんな課題があるか・・・・
それを社労士・財務アドバイザーの視点から考察します。

はじめに

「社員の悩みは、未来の道具で解決」
そう語るのは、未来からやってきた動物型ロボット小羅 衛門CEO(こら えいもん、最高経営責任者)。
彼は、社員の困りごとに即座に反応し、机の引き出しからから「支援ツール」を取り出して解決を図る。さらに、現場にも自ら足を運び、率先して問題解決に乗り出す。
 その姿はまさに理想の支援型リーダー。だが、組織運営はそう単純ではありません。

小羅衛門CEOの強みと課題

1.強み

  • 共感力が高く、社員の声にすぐ反応
  • 問題解決ツール(経験)を豊富に持ち、即応性がある
  • 現場主義で、社員の代わりに動いてくれる安心感

2.課題

  • 社長が動きすぎることで、社員が考える前に答えが出てしまう
  • 支援が過剰になり、自律性・主体性が育たない
  • 「困ったら社長に頼めばいい」という依存型文化が定着
  • 現場の課題がツールで処理され、根本的な改善が進まない

支援型リーダーに対する対応策

1. 支援と自律のバランス設計

  • 社長の介入は「最後の手段」と位置づける社内ルール
  • 問題解決プロセスを「自己対応→チーム対応→支援要請」の段階制に

2.ツール依存から人材育成へ

  • DX推進を現場起点で設計
  • 「便利」より「意味ある支援」を評価体系に

3.自律性を育てる人事評価制度

  • 「自ら課題を発見し、解決に向けて動いたか」を評価項目に追加

まとめ:小羅衛門は動きすぎるからこそ、制度で止める必要が

 小羅衛門は、社員の味方であり支援の達人。
だが、社長が率先して動きすぎると、社員の考える力・動く力が育ちません。
組織は支援だけでは動かず、自律があってこそ前進します。
支援型リーダーの過剰な優しさを制度で制御し、社員の自律性を育てるルール・人事評価制度を設計する─それが、導羅衛門型CEOの理想を現実に変える鍵となります。

 次回のコラムは「剛圧 強がCOOだったら~リーダーシップとハラスメントの境界線~」
リーダーシップとハラスメントについて考察したいと思います。

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江崎充豊
専門家

江崎充豊(社会保険労務士)

マネジスタ湘南社労士事務所

現役銀行員としての財務分析力、社労士としての労務知識を融合させ企業を支援。資金調達や事業計画、人事労務体制整備からデジタルツール導入まで、経営者が本業に集中できる環境作りをアシストする。

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