(閣議決定)「106万円の壁」撤廃で何が変わる?年金改正のポイント

こんにちは、マネジスタ湘南社労士事務所です。
前回は銀行の起源から日本の銀行の課題について取り上げました。
今回は、銀行の現状と今後についてお話したいと思います。
銀行の置かれている状況
銀行は今、根本的な役割の転換を迫られています。
かつては「信用」を担う経済の中枢でしたが、現在では「金融機能の提供者」として、他業種と同じ土俵で競争する立場にあります。
- フィンテック企業やITプラットフォーマーが、決済・融資・資産運用などの銀行業務を代替
- 顧客接点を奪われ、銀行はインフラを提供するだけとなり得るリスクに直面
- 金融機能が主役ではなく、サービスの一つの「組み込み部品」として扱われる時代へ
この構造変化は、銀行の収益モデルや組織文化に大きな影響を与えています。
他業種の金融業務への取り組み
近年では、様々な企業が金融サービスを提供しています。GAFAを例に挙げます。
| 企業名 | 金融サービス | 目的 | 効果や影響 |
|---|---|---|---|
| Google Pay | 決済システム強化 | 銀行との提携モデルを模索 | |
| Apple | Apple Card | 顧客囲い込み | UX重視で若年層に浸透。金融とデバイスの統合 |
| Meta | Libra(Diem) | 独自通貨構想 | 規制の壁に直面し撤退 |
| Amazon | Amazon Lending | 出店者支援 | 中小企業融資を銀行より迅速に提供 |
GAFAは金融事業を「収益事業」としてではなく、「顧客囲い込み」や「UX強化」の手段として活用しています。利益を上げる必要がないため、銀行にはない柔軟性と価格競争力で金融事業を展開出来ます。
日本でも、様々な企業が金融サービスを手がけています。
| 企業名 | 金融サービス名 | 主な機能・特徴 |
|---|---|---|
| JR東日本 | JRE BANK | 利用特典付き口座、Suica連携 |
| 高島屋 | 高島屋NEO BANK | 百貨店ポイント連携、預金振込 |
| 日本ハムファイターズ | F NEOBANK | ファン向け金融サービス,口座開設特典 |
日本でも様々な企業がBaaSを活用して金融機能を組み込む事例が増えています。
BaaSとは「Bank as a Service」の略で、銀行が提供する預金・為替といった機能を、企業が自社のサービスに組み込み、インターネットやスマートフォンのアプリを介してエンドユーザーに提供する仕組みです。
現在の潮流・トレンド
銀行業務の最近のトレンドを以下に挙げます。
・エンベデッド・ファイナンス:金融機能がECや交通など他サービスに組み込み
・スコアレンディング:財務諸表ではなく、購買履歴や行動データで信用評価
・BaaS(Banking as a Service):銀行がAPIで機能提供
・パーソナライズド金融:AIによる資産形成など個別最適化された金融サービス
これらは、銀行が「金融サービスを売る」のではなく、「金融インフラを組み込む」時代への転換を示しています。
今後の銀行のあり方
銀行は、以下のような構造転換を迫られています。
| 業務、領域 | 従来型 | 今後 |
|---|---|---|
| 顧客接点 | 支店・営業 | アプリ・API・プラットフォーム |
| 信用評価 | 財務諸表・担保 | 行動データ・取引履歴 |
| 業務軸 | 預金・貸出 | データ活用・UX設計 |
| 競合 | 他銀行 | IT企業・ECプラットフォーム |
銀行は「資金決済、信用としてのインフラ基盤」から「金融と創造価値のプラットフォーム」へ変化する必要があります。
特に中小企業支援においては財務情報だけでなく、事業の成長プロセスや地域との関係性を踏まえたコンサル・オーダーメイド型の金融が求められます。
まとめ:銀行は「組み込まれる」時代にどう生きるか
銀行業務は、もはや銀行だけのものではありません。
顧客接点を持つ企業が金融機能を組み込み、UXとデータを武器に参入する時代です。
銀行は「表舞台」から「裏方」へと役割を変えながら、信頼・専門性・地域性を活かした新たな価値創造を目指すべきだと思います。
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